銀行員のタトゥーはアリなのか?|現役銀行員が実態を解説します!

銀行員になりたい

銀行員は信用が命。

この記事をご覧になっている人は「タトゥーがあっても銀行員になれるのか?」と疑問をお持ちだと思います。

正直いうと、タトゥーがあっても銀行員になれます。

しかし、銀行員になるだけでいいのか?

銀行員になったあとどうなりたいのか?

そこまで考えた上で、改めてタトゥーのことを見つめ直して頂きたいです。

冒頭のとおり、銀行員は信用が命です。

この記事では現役銀行員の視点で、銀行員とタトゥーの実際のところを詳しく解説します。

是非ご覧ください!

銀行の規程でタトゥーは禁止されてるのか?

銀行の就業規則や従業員服飾規定では、タトゥー禁止と明記されていません。

だから、ひと安心・・・という訳ではありません。むしろ逆で、銀行の規定でタトゥー禁止と明記されないのは、そもそもタトゥーが入ってないことが銀行員の大前提だからです。

タトゥーに対するイメージ

大阪刺青除去センターが実施した「タトゥーのイメージ調査」によると、高齢の人ほどタトゥーを嫌っているとのことです。

60代以上の方で、タトゥーに悪いイメージを持っている割合が67.3%。50代で58.9%、40代では47.6%の人がタトゥーにネガティブな印象を持っているという結果でした。

銀行の身だしなみルール

社会からの信用・信頼の上に成り立つ銀行。

誰からも好感を持たれる必要がある銀行員。

その身だしなみに関する規則は厳しく、

  • スーツやシャツの色
  • ベルトや靴の形状
  • 髪型・髪の長さ
  • 華美な装飾品の禁止

など様々な制約があります。

欧米では、タトゥーポリシーという『組織におけるタトゥーの取り決め』を制定する企業が多くあります(青山学院大学 薄上教授「欧米におけるタトゥーと雇用管理の考察」)。

しかし、日本ではタトゥーそのものがタブー化されており、タトゥーポリシーのようなルールを制定している企業は非常に少ないです。

銀行では上記のように細かい制約を規定しないといけないこともあり、タトゥー禁止という当たり前を規定には記載していません。

銀行の企業文化は保守的で、企業イメージやブランドを重視します。したがって、ネガティブな印象を持たれるタトゥーに対して厳しい立場を取る傾向が強いと認識しておきましょう。

銀行員でタトゥーをしている人はいるのか?

なぞ はてな

では実際のところ、銀行にはタトゥーをしている人はいるのか?

勤続19年の現役銀行員の私は、今まで3000人近くの銀行員と接してきました。

結論、その中にタトゥーをしていた銀行員はいません。

正確にいうと、タトゥーが公になっている人はいないです。

これは、私が属する銀行の従業員だけでなく、大手邦銀に出向した際に交流した他行の知り合い、日々の業務で接する他行の方々など幅広い人脈の中で一人もいません。

それくらい、銀行員にとってのタトゥーとは遠い存在ということです。

タトゥーしていても銀行員になれるのか?

タトゥーをした銀行員はいない。

ということは、そもそもタトゥーしている人は採用試験で落とされる?

まず言えることは、銀行の採用試験でタトゥーのチェックはされません。

服装で完全に隠せるなら面接官が気づくもないでしょうから、タトゥーがあっても銀行員として採用される可能性はあります。

先ほど紹介した青山学院大学 薄上教授「欧米におけるタトゥーと雇用管理の考察」において、以下の重要な一節があります。

タトゥーをする理由は、好みやファッション、歴史的・宗教的・民族的・社会的な背景など様々であり、タトゥーに対する評価や価値観には地域や国、個人の間でギャップがある。

青山学院大学 薄上教授「欧米におけるタトゥーと雇用管理の考察」

以上のように、

  • 理由があってタトゥーしている人を批判すること
  • 外見(タトゥー)で採用を判断する姿勢

は、差別と見なされる可能性があります。

銀行は対外的なトラブルをとても嫌います。したがって、銀行の採用試験を受けた人が「タトゥーが原因で採用されなかった」と主張されることを忌避したい側面もあります。

銀行に入ってからタトゥーはバレるのか?

はてな なぞ

タトゥーがバレずに銀行に入ったとしても、入行後にタトゥーがバレる可能性は大いにあります

タトゥーがバレるパターンは大きく3つ。

  • 職場の健康診断
  • 業務外の付き合い
  • つい口がすべって

職場の健康診断

銀行では年1回の職場での健康診断があります。

身長・体重測定、血液検査、聴覚・視覚の検査等々の中で、タトゥーがバレる可能性が高いのが心電図検査です。

心電図検査の際、下着のみになり待機します。そのとき上半身にタトゥーがあるとほぼ間違いなく見えてしまいます。

業務外の付き合い

特にタトゥーがバレやすいのが、業務時間外の付き合いです。

例えば、銀行員は接待でゴルフに行くことが多く、ゴルフ後の入浴時にタトゥーが見えてしまうケースが考えられます。

また、銀行内の研修や支店メンバーとの旅行で温泉に入る機会があれば、同僚や上司に見られる可能性大です。その他にも飲み会やスポーツ大会など、普段のスーツとは異なる服装になる場面でタトゥーがバレることがあります。

つい口がすべって

「タトゥーのことは絶対に秘密」

「でも、信頼できる〇〇さんには話して大丈夫」

と考えることは普通のことです。

しかし、人はナイショの話しが大好きです。たった一人にタトゥーの話しをしたつもりでも、その相手が誰にも話さない保証はありません。

「ココだけの話しなんだけど、△△君ってタトゥーしているらしいよ…」と他の人に話したが最後。加速度的にタトゥーの話しは広がっていきます。

タトゥーがバレたらどうなるのか?

ひょんなきっかけで、タトゥーのことが銀行内で広まった場合、確実に人事部門が動きます

タトゥーは「反社会的勢力との関係があるのでは?」と疑われる要因になります。

したがって、まず第一に身辺調査が内々に行われる可能性があります。

万が一、反社との繋がりが発覚すれば即刻解雇となるのは間違いありません。

反社との関係がない場合でも、続いて支店長からの事情聴収が行われた後、懲罰委員会やコンプライアンス委員会等で処分が検討される可能性があります。

銀行の懲罰規則には「タトゥーが入っていた場合の具体的な処分」は明記されていませんが、実際の対応はケースバイケースとなるでしょう。

懲罰の程度は、銀行・状況・タトゥーの内容によって異なりますが、少なくともタトゥーがバレた銀行員には悪いイメージが付きまとい、人事評価・昇進昇格にマイナスの影響がでることは確実です。

タトゥーを入れるか迷っている人は、タトゥーを入れるとキャリアにとって確実にマイナスになることを十分に踏まえ、慎重に慎重を重ねた判断を行うことを強くオススメします!

まとめ

まとめ

銀行員とタトゥーの関係をまとめると、以下のとおりです。

  • 銀行では「タトゥーが入ってないこと」は大前提。タトゥー禁止は当たり前すぎて、規定に記載は無い。
  • 著者が知っている約3,000人の銀行員の中にタトゥーをしている人は一人もいない。
  • 銀行の採用試験でタトゥーの有無を聞かれることはない。
  • 銀行に入ってから、タトゥーがバレる可能性は高い。それは健康診断・業務外の付き合い・噂が広がるの3つのパターンでバレる。
  • もしバレた場合、人事部門による身辺調査に始まり、上司からの事情聴収を通じて、懲罰が言い渡される。

タトゥーをまだしていない人へお伝えしたいのは、

  • タトゥーするしないはご自身の判断です。
  • しかし、銀行を含め社会のタトゥーに対する反応はマイナスのことが圧倒的に多いです。
  • 「タトゥーを差別するな」という気持ちも分かりますが、「タトゥーはNG」「タトゥーは怖い」と感じるのも、人それぞれの判断です。
  • 以上を踏まえて、慎重な判断を行いましょう!

ということです。

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