銀行の支店長にはいくつか種類がある!|支店長の地位を現役銀行員が解説

銀行員を極めたい

銀行の支店長

と聞くと、銀行の中でも偉い人というイメージを持つ人が多いと思います。

確かに支店長は管理職ポストであり、一定の裁量を持ち、責任ある立場であることは間違いありません。

しかし、実際のところ支店長の地位や権限は一律ではなく、執行役員級の支店長もいれば、小さな権限しかない支店長もいます。

この記事では現役銀行員の視点から

の3点について詳しく解説します。

支店長とは何ぞやを知ることは、銀行を深く知ること。

是非ご覧ください!

銀行における支店長の地位

銀行の支店長は、大雑把にいうと役員に次ぐ高い地位の職位です。

具体的な職位は以下のとおりです。

  1. 役員(頭取、専務、常務など)
  2. 常務執行役員、執行役員
  3. 支店長・部長
  4. 副支店長・次長
  5. 課長
  6. 課長代理、支店長代理、マネージャー
  7. 主任、係長、サブマネージャー
  8. ヒラ行員(一般行員、アソシエイト)

支店長の仕事は、支店運営の管理全般です。

  • 営業目標の割り振り、達成に向けた戦略策定
  • 融資案件の決裁
  • 顧客との交渉やトラブル対応の陣頭指揮
  • 銀行本部との交渉
  • 支店内設備の管理
  • 支店行員の人事管理

など多岐にわたる業務を担い、その全ての責任を背負っています。

また、銀行内のみならず銀行外でも一目を置かれる存在です。

特に地銀では、地域の業界団体の役員になったり、学校などのイベントに来賓として呼ばれたり、地域の顔役として扱われます。

銀行内外で重要な存在として見られる支店長。

将来的に本部の重要ポストに、ゆくゆくは役員になるため、銀行員は支店長になることを目指します。

支店長のラインナップ

一定の権力を持ち、役員に次ぐくらい高い地位にいる支店長。

しかし、支店長の中にもランクのようなものがあり、それぞれで権限や権力に大きな違いがあります。

詳しくは以下のとおりです。

詳しく解説していきます!

一般的な支店長

単一の支店を運営管理し、その支店の業績の責任を負う最もポピュラーな支店長です。

支店の規模によって支店長の地位は若干異なります。

部下行員が2~3人の田舎の小さな支店の支店長だと権力は極小ですが、例えば東京23区内の大きい支店の支店長は名門店長などと呼ばれ、銀行内では尊敬・羨望の目で見られます。

兼任支店長

兼任支店長は、複数の支店の管理責任を持つ支店長。

例えば横浜銀行では、港北ニュータウン南港北ニュータウン北北山田仲町台支店長と4つの支店を一人の支店長が担っていたりします。

通常、単一の支店長(一般的な支店長)を経験したのち、次のステップとして兼任支店長を担います。

つまり兼任支店長は、一般的な支店長よりも地位が上ということです。

エリア統括支店長

エリア統括支店長とは、市や区などの行政区全体を統括する支店長で、エリア統括店長やエリア長、ブロック長、母店長などと呼ぶ銀行もあります。

統括するエリア内の全支店の運営に携わり、営業目標も運営責任も全支店分を背負う責任ある地位にある。それがエリア統括支店長です。

当然、エリア統括支店長自身が他の支店長を兼任しているケースも多々あります(以下は福井銀行の例)。

執行役員級の支店長

支店長の中でも最上位が、執行役員級の支店長です。

執行役員級の支店長には、2段階あります。

  • 常務執行役員支店長
  • 執行役員支店長

役員と付くものの、執行役員支店長は会社法に定める役員ではなく、あくまで現場の業務を遂行する支店長。取締役ではないので取締役会や役員会には出席しません。

執行役員支店長のパターンは大きく2つ。

  • 前述のエリア統括支店長が執行役員になるケース
  • 都銀の名門店など、伝統的に執行役員支店長であるケース

いずれにしても執行役員支店長は役員では無いにせよ、最強の支店長ということです。

支店長もどき

支店長について理解が深まったところで、最後に支店長っぽい役職を紹介します。

銀行は、偉そうな役職を付けがちです。それっぽい役職名に惑わされないようチェックしましょう!

代理店長

銀行の代理店とは、銀行の委任を受けて、当該銀行のために、銀行の業務の全部又は
一部の代理をするものをいう。

金融庁「銀行代理店制度」より

一見すると銀行の支店と同じですが、実は銀行から業務委託を受けて、銀行サービスを提供している銀行代理店というものがあります。

銀行代理店を管理・運営している人は代理店長と呼ばれており、支店長のような権限は持っていません。

出張所長

銀行代理店と同じように、一見すると支店ですが出張所という分類の拠点もあります。

出張所は、口座開設や入出金・税金の支払いなど一部サービスのみできる拠点。主に市区役所やショッピングモール内に設置されています。

この出張所の管理者は出張所長。支店長になる前に就くポジションで、支店長とは異なる存在です。

支店長代理

銀行の役職の一つに、支店長代理というものがあります。

『支店長を代理する』というくらいだから、支店長級の地位にあると思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。

支店長代理は、支店長よりも2~3ランクほど下の地位の役職です。銀行支店内での権限もあって無いようなもの。

支店長代理が来たからといって、あまり期待はしないでおきましょう。

まとめ

まとめ

銀行における支店長は、役員に次ぐくらい高い地位の役職です。

しかしながら、支店長には以下のとおりいくつかの種類があります。

  • 一般的な支店長
  • 兼任支店長
  • エリア統括支店長
  • 執行役員級の支店長

同じ支店長でも、一般的な支店長と執行役員支店長では権限も仕事内容も大きく異なります。

あなたの周りにいる銀行支店長はどの地位の支店長か!?

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