銀行では人事が命
人事異動は、銀行員にとってキャリアや働きがいを決定づける重要イベント!
そして、人事異動の発表当日のあのワクワク感!
そんなお祭りさわぎの人事異動ですが、その決定プロセスや仕組みについては意外と知られていません。
この記事では、地方銀行における人事異動の基本と決め方、さらには納得いかない人事異動への対処法まで勤続20年目の現役銀行員の経験から詳しく解説します。
この記事を読むことで、
の3点が分かるようになります。
今後の銀行員人生をより良いものにするためにも、人事異動の全体像を把握しましょう!
地銀の人事異動の基本

銀行の人事異動には、いくつかの決まり事があります。まずは、銀行の人事異動の基本を解説します。
人事異動のタイミング
人事異動が行われる時期は銀行によって異なります。
しかしどの銀行でも共通して人事異動が発表される時期があります。
- 新年度が始まる4月
- 6月の株主総会直後
の2つです。
4月は新入行員の配属と同時に行われる人事異動。6月は株主総会後の新役員体制での人事異動。
その他の人事異動の時期は銀行ごとに異なります。具体例は以下のとおりです。

行員数が多い銀行ほど、年間の人事異動の発令が多い傾向にあります。
人事異動のきっかけ
上記で紹介したタイミングで行われる人事異動ですが、それぞれの人事異動の発令にはきっかけがあります。
人事異動のきっかけとなる出来事は以下のようなものがあります。

変なタイミングで少人数の異動が発令されたときは、ハラスメントや不倫への対応に伴う人事異動が疑われます。
銀行員は何年で異動するのか?
年間の人事異動のサイクルが分かりましたが、従業員である銀行員の最大の興味は、自分が異動するタイミングです。
金融庁レポートによると、『従業員の長期在籍が不祥事件に繋がる』といった見解を出しており、銀行に人事ローテーションを必ず行うよう求めています。
銀行の人事ローテーションのルールは以下のとおりになっています。
銀行は内部管理規定により、同じ支店で働く勤務年数上限が定めており、その上限を超える場合は人事部向けに稟議を行います。
逆をいえば、稟議さえ通せば何年でも同じ部署に勤務させられるということです。
人事異動の決め方

それでは、本題である人事異動の決め方について解説します!
人事異動決定の流れ
ざっくりした全体の流れは以下のとおりです。
- 各部門から人事部門に人事要望が集まる。
- 人事要望をはじめ諸々の要素を考慮し、人事部門が人事異動案を策定。
- 人事異動案を役員が承認。
- 無事、承認されたら発令。
人事異動案を策定するのは人事部門ですが、事前にエリア長(ブロック長)や本部の部門長が以下のような人事要望を人事部門あてに提出します。
都銀では、人事部門より支店長・部長の権限が強いそうですが地銀では真逆です。人事部門の決定が絶対。なぜなら、人事部門が決めた人事異動案は役員がお墨付きを与えているから。
人事部門が策定した人事異動案は、人事担当役員を中心にボードで審議されたのち、最終的に頭取(社長)が決裁して組織決定が完了します。
なお、役員が口を出すのは基本的に管理職以上の人事に対してのみです。
人事異動を決める要素
人事異動を決める要素は非常に多く、それぞれの要素が複雑に絡み合っています。
これらの要素のうち、その人事異動のタイミングで優先すべき要素を満たすよう異動内容を組み立てます。
人事異動はところてん
銀行の人事異動は、ところてんと言われます。
A支店の支店長がB支店に異動。B支店にいた支店長はC支店に異動。C支店の支店長はD支店へ……といった形で、様々な人が連なって異動していきます。
人事異動は、いち銀行員にとっては自分だけのものに感じるかもしれません。しかし、人事異動を俯瞰して見ると、誰かが抜けた穴を他の誰かが補うという人の動きの連鎖であり、人と人が繋がりあうネットワークを形成していることが分かります。
人事異動を拒否できるのか?

人事異動とは、誰かが抜けた穴を他の誰かが補うという人の動きの連鎖
この事を考えると、一旦発令された人事異動を拒否することは組織人としてはNG行為。
また、拒否したところで受理される可能性はゼロ。さらには人事異動を拒否したという事実が人事部門内で共有され、確実にマイナス評価に繋がります。
私の周りには人事異動を拒否した人がいないので、どんな仕打ちを受けるかは不明です。しかし、それほどまでタブー視されているのが人事異動拒否ということです。
人事異動が受け入れがたいとき

拒否したところで受理される可能性はゼロ。
でも人事異動をどうしても受け入れられない。そんなとき残されるのは以下2つの手段のみ。
- 至急で異動希望する
- 銀行を辞める
私が勤める銀行では、人事異動が気に入らずに辞めた人が数多くいます。
身近には、2度連続で不本意な人事異動が続いたことで退職を決意した同期がいます。お子さんが小さいのに単身赴任の遠方の支店に異動。そこで我慢した挙句、次の異動では関連会社に出向。止める人事部を無視して自身で事業を立ち上げました。
まとめ

銀行の人事異動は、
といったきっかけで、ほぼ銀行都合で決められます。
そして、一旦決まった人事異動に抗うには、我慢or退職の二択。
神のみぞ知る人事異動。
多くを望まなければ、色々な経験ができてそれなりに楽しい銀行員生活。
人事異動のあのワクワク感を楽しみましょう!


