働く場所として銀行を評するならば、極めて特殊で、そして異常な職場です。
今、銀行を辞めようか悩んでいる新入行員の皆さん。辞めたいと思う原因の大部分は、上司・先輩や銀行にあります。(下図)
現役銀行員の私ですが、銀行を辞めることについては『辞めるなら、なるべく早い方がよい』と考えています。
この記事では
の4点について詳しく解説していきます。
銀行退職で悩んでいる人が、前向きになれる内容です。是非ご覧ください!
すぐに銀行を辞めるのはダメなことなのか?
まず結論をいうと
早々に銀行を辞めることはダメなことではありません。
『何にとってダメなのか?』という切り口で詳しく見てみましょう。
- 自分にとって
銀行をすぐ辞めるとデメリットがあるのか? - 上司・先輩にとって
あなたが銀行をすぐ辞めると迷惑がかかるのか? - 親・親戚にとって
あなたが銀行をすぐ辞めると悲しむのか? - 職歴において
銀行をすぐ辞めると傷がつく?転職しにくい?
一つずつ見ていきましょう!
銀行をすぐ辞めるデメリット
辞めた後のデメリットは『辞めたことを後悔すること』。
もっと丁寧にいうと『銀行に勤めていた時の方が良かったと思うこと』です。
皆さん、いかがでしょうか?
銀行を辞めたあと、
銀行にいた方が良かった~
なんて思うでしょうか?
もし、そう思うならば辞める覚悟が足りないだけ。そんな人は、もう少し銀行に残って経験値をあげることをお勧めします。
逆に『銀行を辞めて後悔する訳がない』と思う人にとって、銀行を辞めるデメリットはありません!
上司や先輩に迷惑かかるのか?
上司や先輩への迷惑は、大きく2種類あります。
- 自分がいなくなることで、上司や先輩の仕事が増える。
- 上司や先輩の人事評価が下がる。
まず1点目ですが、
新入行員がやってる仕事は、たかが知れてます。新入行員が辞めた穴は残ったメンバーで普通にカバーできます。そして、そのうち人事異動が発令され、あなたの代わりの行員が配属されるので、何ら問題ありません。
次に、2点目の人事評価。
部下が辞めた場合、その上司の人事評価が下がることは多々あります。しかし、辞めたのが新入行員であれば、話は別。「上司の管理不足」ではなく「辞めた新入行員が銀行にあわなかった」と見なされ、人事評価が下がることはほとんどありません。
親や親戚が悲しむ?
あなたが銀行をすぐに辞めた場合、親や親類は悲しみよりも、心配する気持ちの方が大きいです。
とすると、心配されるから銀行で働き続けるのか?
それはおかしな話ですよね。
あなたがすべきことは、銀行に見切りをつけて親・親戚に心配されないよう次のステップ(転職など)を準備することです。
職歴に傷が?転職しにくい?
職歴と転職については、銀行をすぐに辞める方がメリットは大きいです。
具体的には、銀行を辞めるのが早いほど
- 色々なチャレンジが可能となり、幅広く経験値を積むことができる。職歴は傷つくどころか、磨かれる。
- 銀行という安定した職場に惑わされず、しっかり自分の考えをもっていると見なされ、転職は割とうまくいく。
といったプラスの効果の方が大きいです。
銀行を早々に辞めた人の事例
銀行を辞めるか悩んでいる人の深層心理には
- 『早く辞めたら、周りから変な目で見られないか?』
- 『仕事が続かないヤツと思われないか?』
といった気持ちがあるのではないでしょうか。
気持ちは分かりますが、それは心配無用!
私が属する銀行では、最短で2日で辞めた新入行員がいます。
無論、新入行員研修の2日目というタイミングでの退職。いえ、逃走です。
しかし、そんなに早く辞めた人に対して、当時は話題になっていましたが、今となっては誰も何も気にしていません。
なぜなら、その人は自分でコンサル会社を立ち上げ、バリバリ活躍中。しっかりと自分の道を切り拓いているから。
つまり、大切なのは『銀行を辞めるか否か』を悩むことではなく、『銀行を辞めたとして、何をするか?どんな人生を歩むのか?』をしっかり考え、実践することなのです!
銀行を辞めるか悩んでるとき、絶対にやってはいけないこと
銀行を辞めるか悩んでいるときの心は、非常に不安定。
不安定な気持ちでいると、あとで後悔するような判断を行ってしまいます。
ここからは、銀行を辞めるか悩んでいるとき、絶対にやってはいけない3つのことを紹介します。
自分を責めすぎない
銀行を辞めるか悩む原因の一つが
仕事が全然できない。
自分は銀行に向いてない!
といった自分へのネガティブな感情があります。
ここでやってはいけないことは、自分を責めすぎないこと。
つい先日まで大学生だった新入行員が、完璧に仕事をこなせるわけがありません。日々ミスして怒られる。コレは普通のことです。
もしも、あなたがミスした際、上司や先輩の指導があまりに厳しいとしたら、ミスした時のあなたの立ち振舞いがマズいのかもしれません。
とにかく、新入行員が仕事でミスすることはごくごく普通のことなので、自分を責めちゃダメです!
周りの感情を想像しない
新入行員が日々、ミスを重ねることは普通のこと。
この事実は、銀行に勤める者の共通認識です。
したがって、周りの人も
お!新入行員の彼、ミスってんね!俺も昔そうだったなぁ
とか思ってるだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。
あなたは自分に対して、不甲斐なく思ってるかもしれませんが、周りは何も思ってません。
周りからどう思われているかを気にすることほど、不毛なことはない!
ゴーイング マイウェイでいきましょう!!
銀行の先輩・上司の意見を聞きすぎない
悩んでいるときほど、身近な人に相談したくなりますよね?
しかし、銀行の先輩・上司に銀行を辞めたいことを相談するのはなるべく避けましょう。
理由は、単純明快。先輩や上司は全力で止めてくるから。
私、銀行に向いてないと思うんですが…
えぇ、そうか~
俺は向いてると思うけどなー
(明確な理由はない!)
そうですかね~
俺も昔、辞めようと思ったよ。
でも、今も銀行で働いてる。
お前も働き続けた方が絶対いい。
その証拠は、この俺だよ…
この上司みたいになりたいとは思えないんだよなー
決まったぁぁ!
カッコいいな~オレ。
こんな不毛なやりとりが繰り広げられるだけです。
銀行を辞めるときの注意点
最後に、銀行を辞める際の注意点を紹介します。
ここでは、銀行の辞め方や事務手続きの紹介ではなく、今後あなたが損をしないためのキレイな退職の仕方を紹介します。
基本スタンスは、飛ぶ鳥跡を濁さずです!
退職理由は『一身上の都合』
銀行を退職する理由は腐るほどありますが、本音は決して言わない方がいいでしょう。
そもそも本音を伝えたところで、銀行が何かを改善するわけがないです。退職する本当の理由を伝えても、あなたにとって良い事は一つもありません。
むしろ
一身上の都合で辞めますが、銀行で働けて本当に幸せでした!
今後とも宜しくお願いします!!
くらい『銀行大好き感』を何とか絞り出して退職しましょう。
特定の個人を攻撃しない
当然のことながら、大好きな銀行には嫌いな人はいない体で、銀行を去りましょう。
ムカつく上司やクソの塊のような先輩がいたとしても、そいつらを攻撃してもいいことはありません。
あとで意外な繋がりが生まれるかもしれません。
また、銀行員のクソさは銀行という文化が育んだもの。したがって、そんな上司・先輩と銀行を離れたあとに会うと、意外とイイ人になったりします。
何につけても、人を大事にすることが極めて大切です!
1ミリでもお世話になった人には御礼を
嫌いな人に対しては、その存在を無かったことに。
逆に、お世話になった方々にはキチンと御礼をしましょう。
コレ、一番大事です!
私の後輩は辞める際に、一緒に仕事をした人だけでなく、グチを聞いてくれた人、食堂でよく一緒になった人、先輩・後輩あらゆる人に御礼の言葉と御礼の品を渡していました。
辞めたあとも「この前、退職した〇〇君。わざわざ挨拶に来てくれ、御礼もくれて…。本当に辞めたのは当行にとって大きな損失だよね」と話題になるほどでした。
まさに、飛ぶ鳥跡を濁さずを体現した辞め方ですね!
まとめ
せっかく入った銀行を辞めるのは、かなり勇気が必要。
だからこそ、退職について悩めば悩むほどストレスが溜まるもの。
大切なことは
が極めて大切です。
私は勤務歴10数年の現役銀行員ですが、若者が銀行を早々に辞めることは、むしろイイコトであると考えています。
悔いのない人生を銀行で歩めるか?
自分がしたいことは何か?
それは銀行で実現できそうか?
色々な角度から現在と未来を想像して、納得いく判断ができることを祈っています!