「窓口で定期預金の解約理由を根掘り葉掘り聞かれる…」「解約をお願いすると引き止められるので大変……」
銀行の窓口で定期預金を解約するのは大変というイメージはありませんか?
実は今、銀行は定期預金の引き止めを全力で阻止しようとします。昔はあっさり解約できたのに、今なぜ引き止めてくるのか…
この記事では、19年地銀に勤める現役銀行員が以下内容を詳細に解説します。
この記事を読んで、安心して定期預金の解約を行えるようになりましょう!
定期預金の解約は本当に引き止められるの?

結論から言うと、2026年現在の銀行は全力で引き止めにかかります。これには、日本の金融政策が大きく関わっています。
【昔】定期解約OK!投資信託へ誘導
少し前(2025年以前)までのマイナス金利時代、銀行にとって預金はコストだけがかかるお荷物でした。そのため、お客様が定期預金を解約しても銀行は特に気にしていませんでした。
むしろ「預金を解約させて、手数料が入る投資信託(投信)を買わせよう」というのが銀行の当たり前。定期預金の解約はむしろ「投信を売るチャンス」と考えられていました。
私が営業企画部門に配属された10年前は『定期預金があるお客様への投信セールス』が収益を上げるための定番手法でした。
【今】金利ある世界で激変!定期解約は全力阻止
しかし、日銀の利上げによる「金利ある世界」への転換で状況は一変!
融資すればするだけ収入が増える銀行にとって、預金は融資金(ローン)の元手となる重要な存在へと様変わり。言い換えると「銀行は預金があればあるほど融資で儲けられる」ようになりました。
そのため、定期預金の減少は支店の評価を下げる死活問題に。現在、銀行員たちは必死に定期預金の新規獲得と解約防止に取り組んでいるという状況です。
先日、役員から「大口の預金解約が発生したら逐一報告する」よう命じられました。とにかく銀行では役員から末端の支店行員まで、預金獲得・流出防止に全力を注いでいます。
【現役銀行員解説】引き止めパターンごとの断り方

現役銀行員としてぶっちゃけると、定期預金解約の引き止めトークは4つのパターンしかありません。それぞれのパターンに対する効果的な断り方とともに紹介します。
パターン1:満期前に解約すると損しますよ!
【 内 容 】
満期前に解約すると、定期預金の高い金利が適用対象外になるので解約しない方がいい。
【銀行員の狙い】
心理的な「損」を強調して解約を阻止したい。
【効果的な断り方】
「昔作った定期預金の金利って0.002%とかですよね?満期まで待っても数十円の利息なので全く問題ないです。解約してください!」
パターン2:特別金利の定期なのでもったいないです!
【 内 容 】
今の定期預金は金利が高い特別な商品なので、解約はやめた方がいい。
【銀行員の狙い】
(特別でもないのに)特別感をアピールして解約を防ぎたい。
【効果的な断り方】
「おたくの銀行では特別かもしれないですけど、ネット銀行ならもっと高い金利で預けられますよね。きちんと比較した上での解約なので手続きを進めてください!」
パターン3:ポイントクラブのランクが落ちますよ!
【 内 容 】
定期預金をやめると、ATM無料やローン金利優遇などのポイントクラブ(ポイントサービス)が使えなくなる。
【銀行員の狙い】
定期預金をやめると、他の便利なサービスが使えなくなると脅すことで解約を防ぎたい。
【効果的な断り方】
「ATMは無料の時間帯しか使わないし、ローンを組む予定もないのでランクが落ちても問題ないです!」
パターン4:せめて一部でも資産運用しませんか…
【 内 容 】
定期預金の解約金で投信などを購入して資産形成しましょう。
【銀行員の狙い】
解約を防げないなら、せめて投信などの手数料を稼いでやる!
【効果的な断り方】
「元本割れのリスクが少しでもある取引は絶対にやりません。」(※国債など元本割れリスクが低い商品を紹介されるケースもあるので『リスクが少しでもある…』と表現しましょう。
しつこく引き止められた時の「最強の一言」
引き止めパターンごとに断りを入れても、空気を読まずに食い下がってくる担当者もいます。また、そのように粘ってくる行員は今後増えるでしょう。
そのときは相手の名札をじっと見て、こう言いましょう。
「これ以上引き止めて手続きを遅らせるなら、『不適切な勧誘』として全銀協の相談窓口に報告しますが宜しいですか? 〇〇さん」
銀行員にとって外部機関への相談は、最も恐れる魔法のワード。さらに名前を呼ぶことで「名指して全銀協に通報される」というプレッシャーを与えられます。
これを言われたら「やばい!苦情の当事者になっています(汗)」と一瞬で顔色を変えて、解約手続きを始めること間違いなしです!
全銀協への苦情相談には、銀行本部(カスタマーサービス部門)が対処します。支店の不当な手続き拒否は100%処罰の対象になります。
窓口での引き止めがどうしても嫌な人の3つの回避策

そもそも窓口で窓口担当者と対峙するからストレスが溜まるのです。令和のこの時代、多くの銀行が窓口に行かずに手続きする方法を備えています。
窓口以外で定期預金を解約する3つの方法を紹介します!
アプリ・IBで解約
スマホアプリやインターネットバンキング(IB)なら24時間365日、定期預金を解約できます。銀行に行く労力、支店で待ち時間、引き止めも全てなし!最強の回避策です。
ATMで解約
多くの銀行で、満期日に限りATMで定期預金の解約が可能です。
- 一部の定期預金商品のみ可能
- 金額に上限がある
- 解約の予約しかできない
以上の制限があることも多いですが、行員に合わずに解約できる可能性あり。ネット検索で「〇〇銀行 定期預金 解約 ATM」と検索してみましょう!
事前予約
どうしても窓口に行く必要がある場合は事前予約することをお勧めします。予約の際は明確に「定期預金の解約手続きのみ。資産運用の勧誘は一切不要。」と釘を刺しておくと、スムーズに手続きが進む可能性がグッと上がります。
まとめ

銀行員が定期預金の解約を止めてくるのは、日銀の利上げにより、銀行にとって預金が「利益の源泉」になったからです。
あなたの大切なお金をどう使うかはあなたの自由。もし窓口でしつこく引き止められたら、最強の一言『不適切な勧誘として全銀協の相談窓口に報告しますが宜しいですか? 〇〇さん』をかましましょう!
現役銀行員の経験から申しますと、毅然とした態度のお客様には銀行員も深追いはしません。堂々と、自分のお金を取り戻しましょう!
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