地方銀行で働きはじめて約20年。
地方銀行の光と影を知る現役銀行員が語る
地銀からの転職を勧める
たった1つの理由
- 転職は不安
- 地方には転職先がない
- 今の給料は維持したい
- 家族も持ち家もある
といった現実で、転職への一歩を踏み出せないあなた。
この記事を読み
今、働いてる銀行で本当にやりたいことができるのか?
を考えるヒントにしてください!
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著者の自己紹介

おやつイモと申します!
まずは自己紹介から。
- アラフォー男性
- 出身地の地方中核都市に在住
- 持ち家あり
- 家族は、妻・子2人
- 第一地銀に勤務する非管理職。
- 職位は、管理職手前ポジション。銀行の役職まとめ記事でいうとレベル3。
- 銀行一筋で約20年。
- 営業店から他行出向を経て、企画部門やIT部門を経験。
地銀からの転職を勧めるたった1つの理由「現状維持バイアス」
そんな私が、地方銀行からの転職をオススメする理由。
それは、地銀が現状維持バイアスに縛られる組織だからです。

他の理由をイメージした人も、ぜひ続きをご覧ください。この現状維持バイアスは、転職を考える全てのきっかけに通じるものです!
現状維持バイアスとは?
現状維持バイアスとは変化を避けて現状維持を求める、現在の状況よりも好転するとわかっていても行動できない心理傾向
人材アセスメントラボ
分かりやすく表現すると、
- 現状維持=今のままでいること
- バイアス=偏りやこだわり
現状維持バイアスとは2つを合わせて、今のままでいることにこだわることを意味します。
なぜ銀行は「変われない」のか?
そもそも銀行は、
- 銀行法により事業内容が規制され
- 金融庁から常に監視されている
など新しい取組みや目立つ動きを取りにくく、現状維持バイアスがかかりやすい業界。
iモード開発で知られる実業家の夏野剛さんが銀行を評したコメントがこちら。
- 銀行ではクリエイティブなことは一切要求されません!
- クリエイティブなこととは、ルールに規定されてないことを一歩進んでやること。
- そんなことをしたら、金融庁から言われなくても、銀行内で刺されます。
- 特別面白いことをやってるヤツや新しい発想をしてるヤツは、必ず潰されます。
業界全体には変化の兆し
とはいえ、銀行の収益低下が止まらない中、いよいよ金融庁が動き始めました。
2021年11月の銀行法改正により
- 広告業や人材派遣業など新事業の解禁
- 一般事業会社への出資規制の緩和
など、銀行業界全体では新たなチャレンジに取り組める環境が整備されつつあります。

大胆な地銀では、新事業が立ち上がっています!
■八十二銀行の電力事業■

■鹿児島銀行の農業参入■

地銀の現実は?
では、多くの地銀の現実はどうか?
少なくとも私が属する銀行では、新しい取組みを起案しても現状維持バイアスに取り憑かれたヤツが、論理性や明確な理由もなく却下する。
これが紛れもない地銀のリアルです。
例を挙げると、以下のような感じ。
<例1>会話が成り立たない

オフィスカジュアルやりましょう。

いくら儲かる?
儲からんなら不要やで。

・・・頭おかしいんか?
<例2>現状維持の権化

社内副業しましょう。

今やらないといけないの?
いつかやろう。

めんどくせーだけだろ!
<例3>もはや考える気なし!

では、副業解禁は・・・

何となくやめとこう。

ダメだ・・・
現状維持バイアスが「あなた」に与える3つの致命傷
銀行という組織が現状維持バイアスで滅びゆくのは、正直どうでもいいことかもしれません。
しかし、銀行に所属する自分まで巻き添えを食らうのは大問題です。
現状維持バイアスは銀行だけでなく、あなたにも以下3つの悪影響をもたらします。
思考力の低下
現状維持バイアスに縛られ続けることで、思考力が低下することが一つ目の悪影響。
先進的な取組みが求められないため、新たな知識を得る努力もせず、旧来的なスキルやノウハウに依存し続ける日々。
たとえ銀行の中で優秀と評価されていても、それは銀行でしか通用しないガラパゴススキルのおかげかもしれません。
他業界で働くビジネスマンはITスキルやマーケティング思考など、日々アップデートをしています。
転職市場で手遅れに
2つ目の影響は、転職が手遅れになること。
地方銀行は、地域企業の中では高給取りで倒産リスクも今のところは低い。
「不満はあるけど、生活には困らない」
そう思って、ぬるま湯に浸かり続けていると、あなたの転職市場での価値はどんどん下がり続け、「さすがにヤバい」と気づいた時には手遅れ。
- 年齢は40代
- 特別なスキルなし
- プライドと希望年収だけは高い
こんな人材、どこも欲しがりません。現状維持を選び続けた結果、銀行にしがみつく人生が確定してしまいます。
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自覚なきクソ上司化
3つ目の傷。これが最も恐ろしい致命傷です。
それは、あなたが軽蔑するクソ上司にあなた自身がなってしまうことです。
どれだけ高い志を持っていても、自分は現実を見ていると思っていても、現状維持バイアスにより腐ってしまった組織に長く身を置けば必ず染まります。
- 部下の提案を「前例がない」と潰す
- 部下の手柄を横取り
- 自分の保身ばかり考える
- 過去の栄光にすがる
今は「あんな風になりたくない」と思っていても、銀行という閉鎖空間に残り続けるうちに「あんな風」を実践し始める未来が待っています。
現状維持を選び続けるということは、自分の魂を銀行に売り続けることを意味します。
現状維持バイアスがかかる理由

ここで気になるのは、なぜ銀行は現状維持バイアスに取り憑かれるのか?
確認してみましょう。
危機感が足りない!

みなさん、マンガ「幽遊白書」をご存じでしょうか?
幽遊白書で、読者の子どもたちを恐怖のどん底に落とした元人間の妖怪・戸愚呂(弟)。
そんな戸愚呂が、主人公である浦飯幽助に吐いたこのセリフ。
元人間のオレの経験からみて、今のおまえに足りないものがある
・・・危機感だ

そして、さらに畳みかけた言葉
おまえ、もしかしてまだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?

相次ぐ異業種からの参入など厳しさを増す経営環境の中、それでも新たな挑戦を避ける地銀。
もし戸愚呂(弟)が私たち銀行員の前に現れたら、こう言うでしょう。
おまえら
もしかしてまだ、今までのやり方で銀行が収益を上げ続けられるとでも思ってるんじゃないかね?
長期的な思考ができない!

銀行員はトップから末端に至るまで、全員が漏れなくサラリーマン。
したがって、どうしても半期という短い期間で評価される習性が染みついています。

自分もそうですが、短期で成果が得られることばかりやります…
また、経営層に近づくほど
- 当期の利益を求める株主の要請
- ストックオプション型の報酬
など短期的な成果に目が向けざるを得なくなります。
以上のことから、成果がすぐ出ない長期的な取組みを避け、現状を維持しようという考えに染まってしまうのです。
企業変革の経験がない!

今まで規制に守られてきた銀行は、企業変革の経験がありません。
なので、経験したことのない変化への恐怖から、新規性の高い事案は真っ向から否定し、現状を維持しようとします。
もしかしたら、

何度も経済危機を乗り越えたわ!
と言い張るバカがいるかもしれません。
しかし、今後の金融業界の地殻変動は、過去の経済危機を超えるインパクトをもたらすことが予想されます。
そのイメージすら沸いてない時点で、変革経験が不足していると言わざるを得ません。

橘玲さんの言葉『バカは自分がバカであることに気づいていない』。これを地でいく銀行員もいます。
知識・知見がない!

銀行員は、金融・経済や企業財務などにそこそこ詳しい。
一方で、その他の知識・知見は全くありません。
具体的には
- デジタル分野
- 消費者心理や行動経済学
- マーケティング理論
- オープンイノベーションの考え方
などの知識・知見が圧倒的に不足しています。
したがって新たな取組みや状況を正しく理解できず

よく分からん!
現状維持で!!
という判断がなされます。
現状維持バイアスの本当の怖さ

これまで説明してきた現状維持バイアス。
これの本当の怖さは、あらゆる課題をおざなりにすることであると私は考えています。
例えば、皆さんが冒頭で紹介した理由で、転職を考えていたとします。
- こんな組織、もうたくさんだ!
- このクソ上司に耐えられない!
- なぜこんなに評価が低いんだ!
- 銀行では成長できない!
- 真に人の役に立つ仕事をしたい!
これらを何とかして変えようとしても、根っこのところで現状維持バイアスが邪魔して、問題を解決しようという方向にすら至らないのです。
まとめ

社会への資金供給や地域経済の活性化など銀行の役割が全くないとは言いません。
しかし、銀行員として働くリアルな現場には、銀行が全うする役割を軽く凌駕するクソな部分があることも事実。

そして、クソな部分をおざなりにし、現状に固執して変化を避ける現状維持バイアスの存在。
もし、あなたが
- チャレンジングな人生を送りたい
- 自分の力を思う存分、試したい
あるいは
- 銀行に大変革が起きて欲しい
- 銀行が変わらない限り、働き続けるのは無理
と思っているのであれば、早めに地銀を卒業することをオススメします!


