急に現金が必要になったとき、ATMにキャッシュカードを挿入すると…
このカードはご利用になれません。
こんな絶望に直面しないためには、普段からキャッシュカードをしっかり管理しておく必要があります。
この記事では
をまとめたキャッシュカード磁気不良を防ぐ方法の決定版です。
画像多めに解説しております。是非ご覧ください!
地方銀行に19年勤務する現役銀行員が執筆しました。新卒で入行し、営業店・大手邦銀とIT企業への出向を経験。現在は銀行本部の企画部門でマーケット調査や営業施策の立案に従事。一般的な銀行員では得難い幅広い経験をもとに様々な記事を執筆しております。
キャッシュカードの磁気不良の原因
磁気不良の防止策を紹介する前に、磁気不良を起こす4つの原因を整理しましょう。

原因知らずして、防止策を講じることはできません!
カード表面の傷・汚れ
キャッシュカードを
すると、ATMでの取引ができなくなります。

下の写真の赤い丸の部分。
この傷により、このカードは使えなくなりました。

磁気ストライプの摩耗
キャッシュカードを
目に見えない微細な傷がつき、カード表面は摩耗します。


下のキャッシュカードは、大きな傷はありません。
しかし、表面が摩耗しており、いつ使えなくなるか分かりません。

水分や湿気によるダメージ

水分はキャッシュカードにダメージを与えないと言われています。
しかし、当り前ですが可能な限り濡れないようにすべきです。なぜならICチップがサビたり、カードが柔らかくなる等の悪影響があります。
また、濡れるシーンで特に多いのが、洗濯機に入れてしまうケース。この場合、濡れることよりもたくさんの傷がつくことが磁気不良の一因になります。
ICチップは、マイナンバーカードでも使われており、その取扱いには十分に注意しましょう!
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3f10dd8b-8c2a-4585-9cdc-674ad2112731/843d9aae/20240927_policies_mynumber_private-business_outline_01.pdf磁力による磁気ストライプの内部破損

次は、キャッシュカードの磁気ストライプの磁気が壊れるケース。
キャッシュカードは磁気ストライプが全て。磁気部分に記録された情報をもとに取引が可能になります。
磁石やパソコンのように強い磁力を発するものの近くにキャッシュカードを置くと、磁気ストライプ内の情報が破損され、磁気不良を引き起こすことがあります。

キャッシュカードの磁気不良を防止する方法

それでは、本題の磁気不良の防止策を紹介します。
先に解説した磁気不良の原因ごとに、適切な対処を確認しましょう。
磁気不良を防ぐために、難しい作業が必要だったり費用がかかるようでは「やってみよう!」という気持ちになりません。
ここでは、あえて手軽に安価に実践できる対処法に絞り紹介しています。それぞれ手軽さと防止効果で評価しているので参考にしてみてください!

星マーク(★)が多いほど高評価です。
カード表面の傷・汚れを防止する
財布内の最も使わないゾーンに格納
- 手軽さ :★★★★★
- 防止効果:★★☆☆☆
財布の中にカードホルダーが複数あるなら、めったに使わないカードを集めたゾーンを作り、そこにキャッシュカードを格納しましょう。

下の写真は、私の財布の中。
赤い矢印部分の隠しカードゾーンにキャッシュカードを入れてます。

他のカードと重ねない
- 手軽さ :★★★★★
- 防止効果:★★★★☆
キャッシュカードを他のカードと一緒に保管すると、
可能性があります。
それぞれのカードを独立して保管することで、キャッシュカードが他のものに触れないようにしましょう。
ATM利用後は表面を軽くふく
- 手軽さ :★★★★☆
- 防止効果:★★☆☆☆
ATMでキャッシュカードを使ったあとは、軽く表面をふきましょう。
ふくものは柔らかい素材であれば何でもOK。ハンカチでも良いですし最悪、衣服のソデで軽くホコリや汚れを払うのもアリ。

この日々の積み重ねが、キャッシュカードを長持ちさせるコツの一つです。
定期的に柔らかい布でふく
- 手軽さ :★★★★☆
- 防止効果:★★☆☆☆
そして、年一回でもよいので財布の中の大掃除を行いましょう。
その際、キャッシュカードを丁寧にふきあげましょう!
極力、家に保管しておく
- 手軽さ :★★☆☆☆
- 防止効果:★★★★★
銀行員としての体感を申しますと、キャッシュカードの利用頻度は月に2~4回ほどの人がほとんど。
皆さん、週1回以上もATMを使う人は少ないですよね?
したがって、キャッシュカードを毎日持ち歩く必要はありません。
できる限り外に持ち出さないことが、カードを傷つけない最も効果的な対策です。

磁気ストライプの摩耗を防止する
これまでの対策でも十分ですが、カード用の保護フィルムに入れておくとさらに完璧に近づきます。

下の写真のような薄いフィルムでも、日常の傷・摩耗からは守ってくれます。

ATM内で傷がつかないか!?
ATMに通すだけなら、キャッシュカードは摩耗しません。
銀行にはテスト用キャッシュカードというものがあります。このカードは何万回とテスト用ATMに差し込まれてますが、問題なく使えています。

1万回つかっても大丈夫ということは、毎日使っても約27年間OKということです!
水分や湿気によるダメージへの対処
洗濯などでキャッシュカードが濡れてしまった場合、絶対にやってはいけないことをお伝えします。
ドライヤーで乾かしてはいけない!

キャッシュカードの表面を触っちゃいけねーんだよな!
じゃあ、濡れたらドライヤーで乾かそう。
これは絶対にやってはいけません。
磁気ストライプとICチップ(下の画像)はとても熱に弱いです。

したがって、ドライヤーで乾かしたら、一発で使えなくなります。
正しくは、柔らかい布でふく!
- 手軽さ :★★★★★
- 防止効果:★★★★★
濡れた場合は、ハンカチやティッシュなど柔らかい布で優しくふきましょう。
ICチップはデコボコしているので、ティッシュをのせて上からポンポンと叩いて、水分を全部取り除くとよいです。
磁気ストライプの内部破損を防止する
他のカードと重ねない
- 手軽さ :★★★★★
- 防止効果:★★★★☆
キャッシュカードを他の磁気カード(クレジットカード、パスポートなど)と一緒に保管しないようにしましょう。
これにより、キャッシュカードの磁気ストライプが他の磁気源からの影響を受けるリスクを軽減できます。
磁力を発するものの近くに置かない
- 手軽さ :★★★☆☆
- 防止効果:★★★★☆
キャッシュカードを磁石や電子機器などの強力な磁力の近くに保管しないようにしましょう。
磁気はキャッシュカードの磁気ストライプに損傷を与える可能性があります。
磁気シールドケースに入れる
- 手軽さ :★★☆☆☆
- 防止効果:★★★★★
キャッシュカードの保護専用の磁気保護カードケースも売られています。
専用ケースは、磁気ストライプを外部の磁力から遮断し、損傷を防ぐ役割を果たします。
色々な方法を紹介しましたが・・・

「カード表面の傷・汚れ」「磁気ストライプの摩耗」「水分によるダメージ」「磁気による内部破損」それぞれを防ぐ方法をたくさん紹介しましたが・・・
どんなにきめ細やかに管理していも、突如として磁気不良になることはあります。
その突然がやってきたとき、どうしてもお金が必要!そんなときは慌てることなく、
- キャッシュカード表面をキレイにしてリトライ
- 他の銀行のキャッシュカードを使う
- クレジットカードのキャッシング機能を使う
の順に対処しましょう。

または、事前に2枚目のキャッシュカード(代理人カード)を発行しておくと安心です。