「お金を借りると信用情報機関に記録される」「借金を返さなかったらブラックリストにのる」など、恐ろしいイメージがある信用情報機関。
信用情報機関について解説する他サイトはありますが、どれも表面的で似たような内容ばかり。
なぜ、そうなるか…?
それは、信用情報機関が誕生した背景の説明がないから。
この記事では、
について詳しく説明します。是非ご覧ください!
信用情報機関の誕生
信用情報機関が誕生する背景には、大きな社会課題がありました。
ここでは、この信用情報機関の誕生のいきさつを詳しく見ていきます。
お金を貸す金融機関の課題

今も昔も金融機関には、お金を貸しても大丈夫か?返してくれるか?という課題があります。
昔は、借りる人の今までの取引ぶりだけで貸すかどうかを判断していました。
「銀行は預金取引がないと、お金を貸してくれない」と聞いたことがある人も多いと思います。
国民をまもる行政の課題

行政は、日本に住む皆さんが健やかに暮らせる社会をつくることを第一としています。
そんな行政が気になるのが、お金を借りる人たち。中にはムチャな借金をつくり、返済に苦しむ人がいます。
そんな人が増えないような社会の仕組みをつくり、借り過ぎを防止しようと考えます。
これら課題解決のための信用情報機関

金融機関の「お金を貸しても大丈夫か?返してくれるか?」と行政の「借りすぎを防止したい」。
この2つを解決するために、信用情報機関が誕生しました。
信用情報機関の存在意義は、金融機関がきちんと貸出を判断できるようにすることであり、そのことを通じて、人々がムチャな借金をしないようにすることなのです。
信用情報機関の4つのポイント
いよいよ、他のサイトでは説明されてない信用情報機関の4つのポイントを解説します。
信用情報機関の種類
信用情報機関の種類は、他サイトにもあるので簡単に整理します。
- CIC(Credit Information Center):シーアイシーと呼ばれ、信販・クレジット会社・ローン、リース会社から銀行・労金などの信用情報を保有する。
- JICC(Japan Credit Information Reference Center Corp):ジックと呼ばれ、消費者金融を中心として、その他にもクレジットや銀行など様々な金融機関の信用情報を持つ。
- KSC:ケーエスシーと呼ばれ、銀行の信用情報だけを保有する信用情報機関。
【ポイント1】
この3社は、CRIN(Credit Information Network)という仕組みのもと情報共有しています。
各信用情報機関がそれぞれ情報を持っていては、正確な情報把握ができないため、3社で情報共有して使うことになったのです。
他のサイトでの「〇〇銀行はJICCの会員では無いので安心」との説明は間違いです。CICとJICCとKSCは情報共有しています。

借入を申込むときは、他社借入は漏れなく書こう!
金融機関は、本当のことを書いているかを信用情報で確認します!
登録される情報
先ほどから、信用情報という言葉を普通に使っていますが、そもそも信用情報とは何か?を紹介します。
信用情報とは、個人の年収や住宅情報、勤務先等の属性情報及び、ローンや公共料金等の支払い情報のこと。
信用情報 -Wikipedia
分かりやすくいうと、名前や性別・年齢などの属性情報と借金などの契約・返済情報の2つがあります。
【ポイント2】
信用情報機関に登録される借金などの契約情報には以下が含まれます。
- 借金の保証人になったときの保証人契約情報
- 保証会社と結ぶ保証契約情報
銀行でローンを組むときには、保証会社をほぼ間違いなく利用します。
したがって、銀行との金銭消費貸借契約に基づきKSCに、保証会社との債務保証委託契約に基づきCICまたはJICCにそれぞれ登録されます。

他サイトで「銀行で借りたらKSCのみ登録」と書かれてたりします。
銀行で借りるときでも、保証契約が信用情報機関に登録されることも知っておこう!
登録期間
他サイトでも、信用情報機関・信用情報の種類ごとに登録期間が説明されています。例えば、契約情報であれば5年。
これ自体は正しい情報ですが、大事なポイントが抜けています。それは、いつを起点とした登録期間なのか?です。
【ポイント3】
信用情報の登録期間といつを起点としているかは以下のとおりです。なお、CIC・JICC・KSCいずれも同じです。
- 契約情報=契約終了から5年以内
- 返済情報=契約終了から5年以内
※延滞情報などの情報 - 申込み情報=申込日から6ヵ月以内
※ローンなどの申込みの情報
【ご参考】CICホームページ、JICCホームページ、KSCホームページ
他サイトでは、返済情報は延滞した日から5年以内とありますが、これは誤りです。正しくは契約終了、つまり完済から5年以内です!
情報照会の依頼
ローンの審査に落ちた場合など、自分の信用情報がどのように登録されているか知りたくなりますよね。
当然、各信用情報機関に情報の開示を依頼することが可能です。
情報開示の方法や費用は、こちら(CIC、JICC、KSC)から確認しましょう。
気になるのは、どこの信用情報機関に情報開示すればいいのか?
【ポイント4】
信用情報機関3社は情報共有しているものの、情報開示に対しては、自社に登録されている信用情報だけしか答えません。
したがって、自分の信用情報がどこに登録されているかを知る必要があります。
その答えは、お金を借りた金融機関と取り交わした個人情報利用の同意書に信用情報登録機関が書かれているので、チェックしてみてください。

個人情報利用の同意書が見つからない人は、金融機関に直接聞けば教えてもらえます!
まとめ

信用情報機関の存在意義は、大きく2点あります。
- 金融機関が貸しても大丈夫かを判断できるようにするため
- 国民が過度な借金をしないため
次に、信用情報機関の理解を深める4つのポイントは
- 信用情報機関3社は情報共有していること
- 借金時だけでなく、保証会社との保証契約や保証人になった時も信用情報機関に登録されること
- 信用情報機関3社ともに契約情報は完済から5年以内は登録され続けること
- 自分の信用情報機関を調べるには、金融機関と取り交わした個人情報利用の同意書を確認すること
大事な自分の個人情報。特に、お金に関係する情報がどのように登録され、何に使われているかが分かれば、お金を借りるときも少し安心できるのではないでしょうか。
今後も、皆さんが知っておくべき正しい本当の金融情報を紹介していきます!