この記事は、銀行員歴10数年の現役銀行マンがまとめました。必ずやローン返済日で悩む皆さんのお役に立つ内容です。
今からお金を借りる人に伝えたい…
ローン返済日の選択により、返済のストレスはかなり変わります。
正直、ネット記事は中途半端な知識で語っている内容が多いので注意すべき!
この記事では、10数年にわたり融資業務に携わってきた現役銀行マンが、失敗しないローン返済日の選び方を解説します。
特に、住宅ローンを組む人は長い間、ローン返済しなければいけません。
ストレスが少ない住宅ローン返済を実現するため、是非ご覧ください!
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ローン返済日は自由に決められる?

結論から言うと、完全自由に返済日を決められることは少ないです。
それでは、順をおって説明します。
ローン返済日の決まり方
まずは、大前提から説明します。
ローン返済日のルールは、同じ銀行でもローン商品ごとに異なります。

A銀行のカードローンの返済日が5日しか選べなくても、同じA銀行の住宅ローンは5日以外も自由に返済日を設定できたりします!
その理由は以下のとおりです。
- 銀行は、ローン商品ごとに保証会社をつけており
- ローン返済日については、それぞれの保証会社と銀行が協議して決定するから

保証会社って何?
保証会社とは、銀行からお金を借りた人が返済できなくなったとき、代わりに返済してくれる会社のこと。保証会社には、毎月の返済金額の一部を保証料として支払われています。
つまり、返済日は
であり、両者の意見を出し合い、返済日のルールを協議します。
ローン返済日のルール
ローン返済日は大別すると
- 特定の日付が指定されているパターン
- 指定された範囲内で設定できるパターン
の2つあります。
まずは、特定の日付が指定されているパターン。
- 「返済日は5日のみ」のように、銀行が指定する日しか返済できません。
- カードローンは返済日が指定されるケースが多いです。
次に、指定範囲内で返済日を設定するパターン。
- 「1~26日の中から返済日を選択」のように、指定範囲内で自由に返済できます。
- カードローンを除くローンは、範囲指定のパターンが多いです。
- 特に、住宅ローンの返済日は指定範囲内で選択することが一般的です。
特殊な返済日のローン商品もある
ローン返済日は、「特定日付指定」と「指定範囲内で選択」の2つに大別される
・・・のですが、この2パターンから外れる特殊なローン商品もあります。
例えば、地銀の中でユニークな商品性として有名な北海道銀行カードローン「ラピッド」。
このカードローンは、『毎月6日を除いて、いつでも返済日OK』という返済不可日指定型です。
もう一つ、福岡県の西日本シティ銀行「NCB EZフリーローン」。
こちらは『原則、給与支給日またはその翌日』という珍しい商品設計になっています。

両商品とも珍しい商品です!
上記のように特殊なルールもあるので、ローン返済日をいつにするか迷ったら、まずは銀行に商品ごとのローン返済日ルールを確認しましょう!

もし「返済日指定」の商品を使おうとしている人は、この記事は参考までにご覧ください。
なぜローン返済日で返済のストレスが変わるか?

ローンを借りたあとのストレスは様々ありますが、基本的には大きく2つのストレスにカテゴライズされます。
ローン返済の2大ストレス
ローン返済中の2つのストレスとは、
- 返済できるかどうかのドキドキ
- 返済できてないときの焦り
です。
例えば、

もうすぐローン返済日。
だけど、飲み会でお金がドンドン無くなる(汗)
という風に、数日後にローン返済日を控える中で、急な出費や生活費でドキドキするのは、かなりストレスになります。
また、結果的にローン返済日にお金が足りず、延滞してしまったとき

延滞してしまった!
お金を早く返さなきゃ!
と焦る気持ちで頭がいっぱいになるのも大きなストレスです。
2大ストレスを防ぐ方法
- 返済できるかどうかのドキドキ
- 返済できてないときの焦り
この2つのストレスを防ぐコツは極めてシンプル。
一つは、返済できるかどうかドキドキする期間を無くすこと
二つ目が、必ず返済できるようにすることです。
そして、この2つのコツを同時に実現するためには、ローン返済日を適切に設定することが重要です。

次の章で、いよいよ「ローン返済日はいつがいいのか?」を解説します。
ローン返済日は、いつがいいのか?

ローンを借りたあとのストレスを防ぐコツは
- 返済できるかどうかドキドキする期間を無くすこと
- 必ず返済できるようにすること
この2点をふまえて、ローン返済日はいつがいいのか解説します!
おすすめのローン返済日
結論から言います。
ローン返済日は、給料日同日にすべきです!
※同日がイヤな人は、せめて給料日の翌日にしましょう。

現役銀行員が言い切ります。
間違いなくこの方法が最適です!
その理由について、前述の「ローン返済のストレスを防止するコツ」に沿って解説していきます。
まずは、コツその1から。
- 返済できるかどうかドキドキする期間を無くすこと
繰り返しになりますが、返済日までにお金が無くなる心配がドキドキの原因。何か出費があるたびに「もうすぐローンの返済があるなぁ…」とモヤッとする。
であれば、このようにドキドキする期間を無くすために、給料が入ったと同時にローン返済が行われるようにすればいいということです。
次に、コツその2。
- 必ず返済できるようにすること
返済日にお金が足りず延滞。「返済しなきゃ」と焦る思い。
このストレスを無くすためには、給料が入った瞬間にローン返済が行われるようにすること。
そうすれば、延滞する可能性はゼロです!
給料日=ローン返済日の心配
ローン返済日を給料日同日にすると、3つのことが心配されます。
- 給料と返済どっちが先か?
- 給料日・ローン返済日が休日のときどうなる?
- 給料日が変わったらどうすべき?
結論をいうと、3つとも全く問題ありません!
給料と返済どっちが先か?
給料日とローン返済日が同日だと、「ローン返済が先。給与振込みが後にならないか?」が心配されます。
安心してください。確実に、給与振込みが先に行われ、そのあとにローン返済が行われます。
少し詳しく説明すると
- 給与振込みもローン返済も、センターカットという処理で行われます。
- このセンターカット処理は、内容ごとに優先順が設定されています。
- 優先順の考え方は
①給与振込みなどの入金系が最優先
②ローン返済など出金系は2番目 - ということで、入金系の給与振込みが行われたあとに、ローン返済が処理されます。
給料日・ローン返済日が休日
次に気になるのが、給与振込みとローン返済の日が休日でも大丈夫か?
これもご安心ください!給与振込みは休日前の営業日に、ローン返済は休日直後の営業日に行われます。
銀行システムの処理内容を紹介すると、以下のとおりとなっています。
- 給与振込日・ローン返済日が休日のときは、休日補正によって処理内容が変わります。
- 休日補正には
・前営業日補正:前営業日に処理
・翌営業日補正:翌営業日に処理
の2つがあります。 - 休日補正は
入金系の場合、前営業日補正
出金系の場合、翌営業日補正
となっています。

「銀行によって休日補正は異なる」とするブログもあります。
しかし、この設定は各銀行共通の処理です。
ネットのウソ情報って怖いなぁ…と思います。。
給料日が変わったら
「給料日が5日から15日になった!返済が厳しい!」
今までは、5日に給料が入った直後にローン返済。しかし、給料日が15日になると、給料が出ないまま5日のローン返済日を迎えてしまう。
かなり厳しいケースです・・・が、大丈夫!
今、借りているローンの条件変更を行いましょう。
具体的には
- まずは銀行に相談(最初は電話でも可)。
- 「給料日が変わったので、ローン返済日を変える条件変更をしたい」と伝える。
- 条件変更の手続きを取る。
以上です。
ちなみに、銀行によってはローン返済日の条件変更を受け付けてない銀行もあります。
そのときは、借換えという手段もあります。新たにローンを組んで、今のローンを完済する。もちろん、新たに組むローンの返済日は変更後の給料日にしましょう。
注意したいのは、条件変更も借換えのデメリット。具体的には、手続き手数料と契約書の印紙代がかかること、単純に面倒くさいことなどがあります。
ですので、実際にやるかやらないかは、あなた次第です!
ネット上の「おすすめローン返済日」を斬る!

冒頭お伝えしましたが、他のネット記事は中途半端な知識で語っている内容が多いです。
ここからは、他サイトで紹介される「おすすめのローン返済日」の誤りを紹介していきます。
「月初日にすべき」のウソ
まずはコチラから。
毎月返済日はなるべく、月初に指定していただくことをおすすめします。
某サイト
理由は
- 一度でも月を超えて延滞すると、個人信用情報機関に「延滞実績あり」と登録される
- したがって、月を超えないようローン返済日を「月初」にしよう
ということらしいです。
一見、専門的で正しそうな意見。しかし、融資業務の経験がある銀行員ならすぐにウソに気づきます。
個人信用情報機関に「延滞実績あり」と登録されるのは、『返済日より61日以上、または3カ月以上も延滞したケース』です。
一度、月越え延滞しても個人信用情報機関に登録されません。
このウソは差し置いても、私が推奨する「ローン返済日を給料日と同じ日」にすれば、そもそも延滞しません。
「給料日の5日後以降」のウソ
続いてはコチラ。
給料日が10日なら返済日を15日以降
某サイト
給料日が25日なら月末や翌月の上旬など
理由は、給料をもらってからローンの返済口座に入金できる日までの日数に余裕が持てるようにするため。
まず思うのが、「給与振込み口座とローン返済口座を同じにすりゃいいじゃん」ということ。

いや、待てよ…
給与を受け取る銀行と、ローンを利用する銀行を使い分けている人がいるかも!
はい。そのような人は、毎月同じ日に同じ金額を自動で送金する定額自動送金を使えばいいだけです。
ということで、あえて給料日から5日以上あける必要はありません!
まとめ

ローン返済日は、間違いなく給料日と同じ日にすべきです!
そうすることで、
- 返済日までの出費によるストレスがなくなり
- 延滞する可能性はゼロになり
安心して、ローン返済を行えるようになります。
万が一、ローン返済が始まったあとで給振などの変更があった場合は、返済日を変える条件変更の手続きを行いましょう!