幸せいっぱいで購入したマイホーム。
でも、いざ住宅ローンの返済が始まると、けっこう生活が苦しくなる人もいます。
特に、35年の住宅ローンを組んだ人の後悔は大きくなりがちです。
この記事では、銀行員生活10数年の筆者が、住宅ローン業務に従事する中で見聞きしてきた
を一挙紹介します。

筆者は若い頃、年間50件の住宅ローンを契約。
その後、長きにわたりローン業務に携わってきました!
他サイトにない詳しい情報ばかりです。是非ご覧ください!
35年ローンを借りて後悔している人。35年ローンを今から借りようとしている人。
35年の住宅ローンとは?

まずは基本から。35年の住宅ローンとは、借入れ期間が35年の住宅ローンのことです。
その名から分かるようにデメリットは、
などが挙げられます。
一方で、以下3つのメリットもあります。
銀行が取り扱う住宅ローンの中ではメインの商品です。

長期の住宅ローンで後悔している人って多いの?

そもそも、35年ローンに代表される長期の住宅ローンを組んでいる人の中で、後悔している人はどのくらいいるのでしょうか?
そのヒントが、住宅融資支援機構の『リスク管理債権』の分析資料に記載されています。
平成26年度と古いですが、返済が厳しいため延滞しているのが全貸出のうち3.95%とのことです。
ざっくり、住宅ローン利用者の100人のうち約4人、100万人だと約4万人が延滞しており、後悔しているはず。
延滞までには至ってないけど、返済が苦しく後悔している人はもっと多いでしょう。

長期の住宅ローンを組んで後悔している人は、たくさんいます!
35年ローンの後悔と対策

住宅ローンを組んだ後の後悔には様々なものがあります。
35年で住宅ローンを借りた人が後悔することベスト10。
それぞれの対策とともに確認しましょう!
借入れ期間を短くすればよかった
銀行員から言われるがまま、35年ローンを契約。
毎月の返済額が少ないから、生活は楽だけど…

返済生活が30年以上も続くなんて絶望的…
と感じる人は多くいます。
- 借入れ後の返済が始まっていても、借入れ期間を短縮できます。
- その方法は、繰上げ返済または条件変更です。
- 繰上げ返済とは、
- 毎月返済とは別にまとまった金額を一括で返済すること。
- 手続きは銀行窓口かインターネットバンキングで行えます。
- 繰上げ返済による期間短縮の場合、毎月の返済額そのまま。
- まとまったお金があるなら繰上げ返済はオススメ!
- 条件変更については、
- 銀行に行き、借入れ期間を短くする条件変更をお願いしたいと伝えるだけ。
- 注意点は、数万円の手数料を取られる点。
- なお、条件変更の場合、毎月の返済額は確実に増えます。
- 手元にまとまったお金が無い人は条件変更がオススメです!
もっと好条件で借りられる金融機関があった
ネット銀行を中心に住宅ローンの商品性は頻繁に変わります。
したがって、住宅ローンを借りた後で
などを発見することがあります。
住宅ローンを契約するとき、複数の銀行を吟味していても

もっと好条件で借りられる銀行があった…
と後悔することがあります。
そんなときは過去を振り返らず、今できる対策を行いましょう!
- 対策は、借換えかローン条件の交渉の2つ。
- 借換えとは、
- 別の銀行で住宅ローンを借りて、今の住宅ローンを完済すること。
- 金利が安く、返済金額が減るなら借換えがオススメ。
- 注意点は、新たな住宅ローンを組むときにかかる諸経費(不動産登記費用や印紙代等)。
- 詳しいことは銀行に相談しましょう!
- 次に、住宅ローンの条件交渉。
- これは、今ある住宅ローンを借りてる銀行に対し「××銀行は金利が0.05%。おたくも同じくらいの金利にならないの?」と交渉することです。
- 追加で言うならば「もし、金利が下がらないなら、××銀行に借換える」。
- 借換えられたくない銀行は要望に応えてくれる可能性が高まります。
毎月の返済額が多すぎる
35年ローンに限らず、住宅ローン利用者の後悔で最も多いのが

毎月の返済額が多くて、生活が厳しい!
もし、あなたが借入れ期間をMAXギリギリで、住宅ローンを組んでいるとしたら、とれる対策は借換えのみ!(方法はコチラ)

借入れ期間MAXで借りてる場合、最終返済日をさらに延ばすことはできません!
借り換える意味があるのは
に限られます。
毎月もっと多く返済できる
住宅ローン契約時に銀行員から勧められるがまま、35年で住宅ローンを契約した人の中には

毎月もっと多く返済したい…
と前向きな後悔をする人もいます。
この場合は、条件変更を検討しましょう。
- 対策は、繰上げ返済&条件変更の両方を行うこと。
- 繰上げ返済を行うことで、期間をガッツリ短縮。
- しかし、繰上げ返済だけでは毎月返済額は変わりません。
- そこで、最終返済日を早めることで、元金を減らしつつ毎月返済額を増やし、住宅ローン返済のスピードを加速するのが理想的な対策です。
引っ越したい!
などの事情から

今すぐ引っ越したい。
でも住宅ローンがあるから無理…
という後悔もあります。
そんなとき、足かせになるのが長期で借りた住宅ローン。
この後悔を解決するには、住宅ローンを無くすこと。
- 住宅ローンを無くす、つまり住宅ローンを完済しましょう。
- まずは住宅・土地の売却。売却資金で住宅ローンの繰上げ返済を行うこと。
- 不動産売却は以下の流れで行いましょう。
- まず不動産屋に行き、売却金額を見積もり
- 次に銀行で繰上げ返済の相談
- ただし、戸建て住宅の場合、想定より低い売却金額になる可能性大。
- 建物価格は、どんどん低下
- 土地価格は、地価により変動
- 家を売ったお金だけでローン完済できることは稀。
- そのときは、自己資金での完済。または残ったローンを払い続けるかしかありません。
想定外の出費
金八先生の言葉
「思いもかけないことが起きるのが人生です」
この言葉のとおり、35年ローンを借りたあと、想定外の大きな出費が発生することもあります。
など様々なケースが。そんなときには、コチラの解決策を!
- 銀行員の視点で言えるアドバイスは、住宅ローンの条件変更と他のローンを借りること。
- 住宅ローンの返済負担を軽くして、急な出費をしのぐため別のローンを組むことも大事。
- 一方で、現実的には周りに助けを求めることも重要です。
- 親や兄弟姉妹・友人などに現状を伝えると、何かの解決策が見つかるかも…。とても勇気が必要なことですが、一人で苦しまないようにしましょう!
他にも借金してしまった!
長期の住宅ローンを抱えながらも
など他に借金することは普通にあります。
そんなときは

35年ローンが無ければ楽なのに…
と後悔しますよね。
- この場合、金利が安い住宅ローンに何か行う必要はありません。
- 手を打つべきは、その他のローン・借金。対策として、複数ローンのおまとめを検討しましょう。
ボーナス月の加算返済が厳しい!
毎年のボーナスを頼りにして、年2回だけガッツリ返済する加算返済。
毎月の返済額が抑えられる仕組みですが…
- ボーナスカット!
- 転職した会社にボーナスなし!
といった事情から、加算返済が苦しくなることもあります。

ボーナスでの返済をやめたい…
と後悔することもあります。
そんなときは…
- 条件変更で解決可能!
- 銀行で、以下の相談をしましょう。
- ボーナスがなくなったので、加算月の返済をやめたい
- ボーナスカットされたので、加算月の返済を減らしたい
- デメリットは、加算返済を減らすと毎月返済額が増えること。
- 住宅ローンを借りるときと同じく、条件変更のシミュレーションをしっかり行いましょう。
- 銀行にシミュレーションをお願いするときは、下の記事をチェック!
定年退職が近いけど返済が続く
定年退職を前にして、

この年齢になっても住宅ローンがあるのはツライ…
という人はかなり多いです。

私も融資窓口で、何度も相談されました…
日経新聞の調査によると、再雇用された場合でも給与は6割ほどの水準になるとのこと。

長期の住宅ローンにも何らかの対策を行いたいところですが…
- 対策は、退職金などで繰上げ完済。
- 住宅ローンは金利が低いので、他のローンへの借換えは意味なし。
- 残高が減っていると、他行の住宅ローンに借換えるのもメリットなし。
- 住宅ローンの返済を無くしたいなら、自力で完済するしかありません。
- つまり、住宅ローンを契約するときに定年退職時を想定しておくことが大切ということです!
繰上げ返済しすぎて、お金がない!
ここまで出てきた後悔の解決方法として、繰上げ返済をオススメしてきました。
人によっては

繰上げ返済しまくった!
お金がなくなった!!
というぶっ飛んだ人もいるかもしれません。

繰上げ返済したお金は戻ってきません!
これ。解決策ありません。
しいて言えば、繰上げ返済できる余裕があるけど、計画性が無いあなた
もっと計画的に返済しましょう!
まとめ:35年ローンの後悔は取り戻せる!

この記事では、長期住宅ローンを借りたあとの後悔とその対策法を紹介してきました。
しかし!もっとも大切なことは、住宅ローンを契約する前に
- ライフプランを想定し
- 無理のない返済額を決めて
- 借入れシミュレーションを行う
それに加えて、急な出費・想定外のことに耐えられるよう
- 資産形成・資産運用も行うこと
- 仕事を継続できるように自己研鑽
- 困ったときに頼れる人間関係構築
に取り組むことも大切です。
万が一、住宅ローンの返済が苦しくなり…
この記事で紹介した対策も打てなくなったら…
頭を切り替えよう!
- 自己破産すれば解決できます
- 今の家に住めなくなるけど
- でも、平気です!
- 人生は絶対にやりなおせます!!
住宅ローン返済できない…
自己破産…
辛いですよね。
でも、命までは取られません。
一旦、リセットして、またやり直せます!
やり直すために、まずは住宅ローンを借りている銀行を訪ね、一歩をふみだしましょう!