はじめて借金した人
借金がいくつもある人
今から借金する人
皆さんが最も気になること。
いくら借金したら
ヤバいのか?
10数年、銀行に勤める金融のプロが完全解説します。
この記事を読むと、以下のことが明確になります。是非ご覧ください!
- 世間一般では、どのくらい借金しているのか?
- どのくらい借金したらヤバいのか?
- 金額だけじゃない!ガチでヤバい借金の仕方
平均的な借金額とは?
まずは世間一般の勤労世帯の借金額はどのくらいあるのか?
総務省の家計調査(2022年)で確認してみましょう。
家計調査の『負債に関する調査』をもとに解説します!
負債=借金とご理解ください。
全体
勤労世帯の負債の平均額は879万円でした。
ちなみに、
勤労世帯の貯蓄の平均は1,508万円。
借金よりも、貯金の金額の方が多いようです。
借金879万円って意外と多くない?
では、次に借金の内訳を見てみましょう!
借金の内訳
借金の内容ごとに借金額を見ると、以下のようになります。
- 住宅・土地を買うための借金
=813万円 - 割賦払い(分割払い)
=21万円 - その他の借金
=45万円
ご覧のとおり、借金のほとんどが「住宅・土地を買うための借金」、つまり住宅ローンです。
カードローンや消費者金融、あるいは生活費や車を買うために借りたお金などは、全て「その他の借金=45万円」に分類されます。
世間一般の借金額は45万円が
一つの目安になりますね!
地域ごと
東京の人はお金持ちだから、借金は少ないんじゃない?
次は、地域ごとに借金額を比べてみましょう!
下表は、地域ごとの借金額を多い順に並べたもの。
地域 | 全ての負債 | その他の借金 |
---|---|---|
関東 | 1,014万円 | 52万円 |
近畿 | 868万円 | 50万円 |
東海 | 809万円 | 40万円 |
東北 | 804万円 | 33万円 |
九州 | 796万円 | 34万円 |
北陸 | 750万円 | 34万円 |
中国 | 737万円 | 49万円 |
四国 | 734万円 | 29万円 |
北海道 | 729万円 | 52万円 |
東京を含む関東が、圧倒的に借金額が多いですね。
また、その他の借金は、関東と並んで北海道も多いようです。
皆さんが住む地域はどうだったでしょうか?
借金はいくらからやばいのか?
一般的な借金総額のイメージがついたところで、次は『借金はいくらからやばいのか』について解説します。
結論から言うと、
- 借金の金額だけでは、ヤバさは測れない!
- 重要なのは、返済金額である。
です。
詳しくみていきましょう。
世間一般の考え方
ネットで『借金はいくらからやばいか』と検索すると、以下2つの回答にたどり着きます。
- 目安は100万円
- 借金総額が年収の3分の1以上
しかし、金融のプロから見ると
2つとも本質的ではありません!
この2つの回答の落とし穴を解説します。
目安は100万円
何となくキリがいい数字で、100万円と言われると「ヤバそう」と思ってしまいますよね。
しかし、
年収1,000万円の人の借金100万円
と
年収200万円の人の借金100万円
では、ヤバさは全く違います。
100万円はあくまで目安だと思いますが、少し乱暴ですね。
このように、借金総額そのものだけでヤバさを測るのは無理があります。
借金総額が年収の3分の1以上
例えば「年収600万円の人の場合、借金が200万円以上になるとヤバい」ということ。
これは、貸金業法の「総量規制」に基づく考え方です。
総量規制 = 年収等の3分の1を超える貸付けを原則として禁止する。
wikipedia「貸金業法」
年収と比較して、借金総額を見るのはナイスな考え方ですが、一つ落とし穴があります。
それは『借金額を年収の3分の1以下に抑えているけど、返済金額が毎月の給料より多いケース』。
このケースでは、毎月赤字を繰り返すことで、借金に借金を重ねる自転車操業状態になり兼ねません。
つまり
「いくら借りているか」だけでなく、『毎月いくら返さないといけないのか?』を意識することがとても重要です。
「やばい」ってどういう状態?
そもそもの話ですが、やばい借金って何なのか?
この点を整理する必要がありそうです。
ざっくり言うと
『生活が苦しくなるほどの借金』
少し具体的に言うと
『返済金額が多すぎて、毎月の収支が厳しくなるほどの借金』
つまり、借金のヤバさは
借入総額ではなく、借金の返済金額で測るべきなのです。
【結論】借金はいくらからやばい?
結論としては
毎月の手取り収入を超えて、返済しないといけない借金
これが、やばい借金です。
もちろん毎月、食費や光熱費など様々な支払いがあります。
しかし、これらの支払いを削ることは困難ですし、やみくもに減らすと、生活の質が落ちてしまいます。
ですので、心掛けるべきは
『毎月の手取り収入で返済できる範囲で借金する』ということです。
借金するときは、借金総額よりも返済金額に注意!
この借金はヤバい!TOP5
『毎月の収支が赤字になるような借金はやばい』と分かったところで、より具体的にヤバい借金の事例を紹介していきます。
ご自身が当てはまる事例がないかチェックしながら読んでみてください!
5位:貯蓄がほぼ無い
人間、何事も余力を残すことが大切。
借金も同じで、少しでもいいので預金などの貯えをもっておくことが重要です。
貯蓄が一切ないと
- 急病にかかったら…
- 結婚式のご祝儀など突然の出費が…
- 家電が壊れた…
など急にお金が必要になったとき、借金返済が滞ってしまいます。
毎月の借金返済額の2か月分くらい貯蓄があると安心!
4位:毎月赤字
借金返済など毎月のお支払いが、お給料を超えてしまうとイエローカード。
きちんと返済してるから、いいじゃん。
という考えは危険です!
毎月赤字が続くと、貯蓄を食いつぶし、ゆくゆくは次の段階「延滞がある」状態になってしまいます。
次の第3位は「延滞がある」。
この辺からヤバさは本格化してきます。
3位:延滞がある
毎月赤字が続き、ついに貯蓄が底をつく・・・
すると借金返済ができずに、ついには延滞状態になってしまいます。
延滞となると、ヤバさは一段階あがります。
まず、銀行をはじめ貸金業者は、延滞者情報を個人信用情報機関に登録します。俗に言うブラックリスト登録です。
また、延滞しているということは、翌月には2か月分の返済をしないといけません。
毎月5万円なら、延滞してしまうと翌月は10万円の返済が必要ということです。
私の経験上、1回延滞したあと、元の状態に戻せる人は1割ほど。
1度でも延滞しないことが重要!
2位:元金が減ってない
毎月10,000円の返済をしていたとしても、その内訳によって、ヤバイ借金かどうかはわかれます。
内訳とは、利息と元金です。
元金とは、もともと借りたお金の一部のこと。
(良い内訳)
利息=2,000円
元金=8,000円
(悪い内訳)
利息=9,000円
元金=1,000円
悪い例では、毎回10,000円も返済しているにもかかわらず、借りていたお金は1,000円しか減りません。
仮に、80万円を借りていたとしたら
良い例だと、約100回(約8年)で完済できますが、悪い例では完済まで800回(約66年)もかかってしまいます。
同じ10,000円の返済でも、元金が減らない借金はヤバいです。
1位:返済のために新たな借金
毎月のお給料だけでは返済できなくなり、延滞が発生。
どこからか、お金を入手せねば…
と思い、別の業者から新たにお金を借りてしまう。
いわゆる自転車操業。
コレは非常にヤバい!
この状態になってしまうと、
雪だるま式に借金がふくれていき、もう歯止めがきかなくなる最大級にやばい状況です。
まとめ
借金はいくらからやばいのか?
その答えは
- そもそも借金総額ばかり気にしてる場合じゃない!
- 大事なのは返済金額。
- 毎月のお給料内で、返済できる範囲で借金すべし!
- 借金するにあたっては、多少の貯蓄と月間収支が肝要。
- 「延滞」突入はイエローカード。次はもうない。
- 放っておくと「借金のための借金」をする事態に。
といった内容でした。
この記事は「借金なんてするな!」というものではありません。
現に私も1,000万円以上の借金があります。
大切なのは、毎月の収支に見合った借金をするということです!
皆さんが、良き借金ライフを満喫することを祈っております!!