世間では、
借金する人は嘘つきが多い
あるいは
借金は嘘つきの始まりという人がいます。
しかし、銀行員として数多くの借金する人に接してきた経験から言うと、借金する人全員が嘘つきではないです。
この記事では、金融のプロの目線で借金する人を分類・分析することで、彼ら彼女らを正しく理解する視点を紹介します。
『借金する人は嘘つき・クズ』と一方的に決めつける他サイトに一石を投じる記事です。
- 借金する心理を知りたい人
- 借金で苦しんでいる人
- 借金をしようか悩んでいる人
是非ご覧ください!
借金する人って200種類あんねん
『白って200色あんねん』
と同じように、借金する人も様々な状況におかれて、お金を借りています。
次に、借金する目的。何を買うために借金するのか?これも人それぞれ。
そして最後に、借金する判断にいたった物事の考え方。この点にも人それぞれの個性がでます。
まとめると・・・
白が200色あるように、借金する人の状況・目的・判断の組合せも200パターン以上は余裕である。
借金する人たちを理解するには、
- その人にどのような状況があったのか?
- 何を買うため(何が目的)の借金なのか?
- どんな考え方で借金すると判断したのか?
この3点を明確にすることが大切ということです。
状況・目的・判断の3つ。
以降で、詳しく説明します!!
借金する人よ…いつ返すのか?今でしょ!
いつ返すのか?
今でしょ!!
と金融機関から言われてるのに、お金を返さない。返済日を守らない。延滞する。
このように、借金の延滞がある人を「借金する人は嘘つき」というのは正しいです。
大前提は、
- お金を返さない、つまり延滞がある人は嘘つきである。
身の周りの人で、借金の延滞がある人には注意を払うべきです。
延滞する人は悪。
信用してはいけません。
「借金する人は嘘つき」って、あなたの感想ですよね?
それってあなたの感想ですよね?
と言われないため、いざ本題へ!
- その人にどのような状況があったのか?
- 何を買うため(何が目的)の借金なのか?
- どんな考え方で借金すると判断したのか?
について詳しく紹介します。
これらを理解したうえで、借金がある人のことを深く知るように努めましょう。
そういうデータあるんすか?
と言われたら
事実に基づいてます!
と言い返せるようになりましょう。
借金する状況
借金する人に共通するのは、お金がない状況であること。
では、なぜお金がない状況になったのか?
大別すると「収入が減った」と「支出が増えた」の2つの状況があります。
詳しく見ていきましょう。
収入減:お給料の問題
お給料に問題があり、借金せざるをえない状況。
当り前ですが、給料の問題は「そもそも給料が少ない」「減った」「無くなった」の3パターン。
お金を借りる人の中には、勤務先の都合でやむなく給料が減ったり、解雇されて給料が無くなった人も多くいます。
もちろん、転職グセがある人もいますが…
支出増①:急な出費の発生
人生、意外なところで大きな出費が発生します。それが、やむを得ないものだったりすると、借金せざるをえないこともあります。
例えば、大病を患ったとき。手術代や入院費など医療費がかかることに加えて、働けなくなり収入が減るというダブルパンチ。
例えば、交通事故にあったとき。車を買い替える必要に迫られる。相手の賠償も。
その他にもたくさんのケースがあります。
支出増②親や兄弟の生活を支える
自分の生活だけでなく、親への仕送りや兄弟の教育費などを負担するため、お金が不足する人もいます。
自分の生活費を切り詰め、「もう限界」というタイミングで借金する、というケースもあります。
こんな人には、本当に周りの応援が必要です。
支出増③お金を使い過ぎた
ここからは、自己責任強めのお金が無い状況例です。
単純に、お金を使い過ぎたがゆえに、お金が無い状況の人たち。
こんな人が多いのは事実です。ただし、お金を使い過ぎたからといって、みんながみんな借金する訳ではありません。
お金を使い過ぎた状況において、金を借りるか否かは、その人の考え方次第です。
あとで紹介する『借金にいたる考え方』とセットで考える必要があります!
支出増④たくさんの借金
お金がない状況の中で、最も悪いケースが「たくさんの借金がある」。
たくさん借金があるということは、毎月たくさん返済せねばならない。
そんな状態で、さらに借金を重ねるヤバいケース。嘘つきかどうかを超えて、超問題な人です。
何を買うための借金
何を買うために借金するのか?
金融機関でいうところの資金使途。これも人それぞれ異なります。詳しく見ていきましょう。
生活費
ふだんの食費や公共料金、スマホ代などの通信費に、自家用車の維持費など。
生活には様々なお金がかかります。
いわゆる生活コストですね。
この生活費を補填するために借金するケースは意外と多いものです。
生活必需品
生活に必ず必要な生活必需品。生活に必須の大きな買い物を購入する際に借金する人は多くいます。
例えば、
など様々。
自家用車を買うためのカーローンは、イメージしやすいですね!
不動産(家・土地)
家や土地を買うための借金。すなわち住宅ローン。住宅ローンは何千万円もの借金なので、それなりの資産と信用力が必要。
住宅ローンがある人は「嘘つき」どころか、「信用力が高い人」と捉えるべきです。
個人事業用資金
個人でも事業を営む人の場合は、事業用資金を借りる人もいます。
この辺くらいから、少しネガティブな要素がでてきます。
「事業は自分の子どものようなもの」と言われるように、個人事業を営む人は自分の事業に夢中になりすぎることがあります。その結果、冷静さを失ってとんでもない金額の借金をつくることも。
このような人には、少し注意が必要です。
個人事業をやってる人は「スゴイ」と思われがち。
しかし、実際の業況が厳しいことも多いです。
交際費
友達との付き合いに、恋人とのデート。飲み会や冠婚葬祭など交際費。
これらが重なると、大きな金額になります。
「上司との付き合いを断れない」などの事情ならまだ分かりますが、
など自分の弱さや見栄っ張りな気持ちにより、交際費が膨らんで借金する人には注意が必要です。
特に、女性は交友関係の維持のため、交際費の負担が。
過度にお金を使わないよう周りのサポートが大切!
趣味
交際費と並び、ついかさむのが趣味での浪費。
特にお金がかかるのが「旅行」「バイク・車」「バッグや宝石など装飾品」「腕時計」など。
周りから見ても『趣味に使う大金、どこにあるの!?』って人がいますよね…。
趣味で借金する人は、自制心がない…。
次の「借金にいたる考え方」とあわせて見ることが肝要です!
ギャンブル
趣味の一部ではあるものの、あえてピックアップしたいのがギャンブル。
なぜなら、ギャンブルは借金に直結する危険性があるからです。
- パチンコ・パチスロ
- 競馬・競輪・競艇
- 賭けマージャン
- FXなど過度な投機行為
どれものめり込むと本当に危険。
このような人がいたら、嘘つきかどうかはさておき、距離をとることをオススメします。
借金で済むなら、まだいいです。
最悪のケースでは、横領や窃盗なども…。
借金にいたる考え方
最後に紹介するのは、借金するに至った考え方です。
言いかえると、その人の個性といってもいいかもしれません。
お金がない状況で、買いたいものを目の前に、借金するか我慢するかは人それぞれ。
詳しく見ていきましょう!
計画的・思慮深い
物事に対して、しっかりと考えを練り、計画をたてて実践していく人。
そんな人は一見、借金とは無縁に感じるかもしれません。
しかし、計画的・思慮深い人は何かを実現するにあたり、「お金という要素」が必要と判断すると、しっかり借金します。
そして、借金の返済についても計画をたて、無理なくこなしていきます。
住宅ローンを組む人は基本的に、この分類の人たち。
強い責任感
自分が置かれた状況に対して、「自分がどうにかせねば」と強い責任感を持つタイプ。
例えば、
- 給料が減っても親や友達に頼らず、借金してでも自分で食いつなぐ!
- 親の倒れた…幼い兄弟たちを養うのは自分しかいない!
- 上司の命令は絶対。ゴルフや飲みには借金してでもいく!
といったケースがあります。
楽観的・人任せな私にしてみたら、もっとも信じられない方々です…
のんき・楽観的・無計画
口癖は「まぁ、何とかなるっしょ」という楽観的なヤツ。
近くにいると、明るく楽しい人。しかし、そんな人が「金、借りても何とかなるっしょ」と言い出したら、危険信号の点灯です。
さらに言えば、最初のうちに返済が順調だったりすると、
借金なんてラクショーだな!
と楽観的に捉え、無計画に借金を重ねる・・・、危険信号ピッカピカです。
騙されやすい・お人よし
例えば、買い物のときに店員さんに持てはやされて、つい高いものを買ってしまう。
良くいえば、お人よし。悪くいえば、騙されやすい人。
もっと極端な例をあげると、金融機関の人に頼まれて必要ないのにローンを借りる。
決して悪い人ではないけれど、このような人は今後の人生がとても不安ですね。
しっかりした人がサポートしてあげて欲しいものです…
見栄っ張り
さぁ、この辺からはかなり危険な個性をもつ人たちの登場です。
まずは見栄っ張りタイプ。他人よりも優位に立ちたい。周りを見下したい。外見ばかり気にして着飾りたい。
見栄を張るためには、自分の収入を超えて買い物をする。非常に危険で、借金アラームが鳴りまくりです。
このタイプが、最も嘘つきのイメージがあるかも…
強欲・自制心ない
もっとも危険な借金の仕方をするのが、欲深く、我慢することが苦手な人。
何か欲しいと思ったら、すぐに買う。次の給料なんて待ってられない。
銀行からすると、ありがたいお客様です!
欲に忠実な分、ある意味では裏表がないので、嘘つきとは違うタイプと言えます。
特殊な借金
ここまで、
を紹介してきましたが、これらに関係なく借金を負うケースもあります。
代表的なものを紹介します。
連帯保証人になった
連帯保証人にだけは、なったらダメだ!
と親から言われたことがある人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、誰かの借金の連帯保証人になると、自分は借金してないのに「借金した人が返済できなくなったら、代わりに連帯保証人が返済しないといけない」のです。
お金がないわけじゃないし、何か買うわけでもないですが、借金したのと同じ状況になってしまいます。
連帯保証人になるのは、お人よしな人であることが多いです。
借金の相続
親が亡くなり相続すると、資産と一緒に借金も相続させられます。
相続放棄という選択肢もある中、相続するということは以下のようなケースが考えられます。
- 借金額を超える資産があるケース
- 親の事業を受け継ぐケース
- 親にお金を貸してくれた人に恩義があるケース
いずれのケースも、お金が無い状況ではないし、買い物をするわけでもありません。
このケースでは、責任感が強い人が多いですね!
まとめ
「借金する人は嘘つき」は決めつけであることが、お分かり頂けたでしょうか?
世の中には、
- 借金したくないけど借金している人
- 誰かのために借金している責任感あふれる人
- 借金を人生の計画に組み込んでいるクレバーな人
逆に
- 何も考えずにテキトーに借金する人
- だまされて借金してしまう人
- 乱れた生活に歯止めがかからず借金する人
- 見栄っ張りで、趣味や交際費に金を注ぎこむ人
- 自制心なくギャンブルにのめり込む人
様々な人がいます。
皆さんに一番お伝えしたいのは
借金している人を一括りに嘘つきと捉えるのはダメ
ということです!