銀行員を目指す学生さんへ…
銀行員になるための必須資格はありません!
ただし、採用試験では客観的な指標として、その学生がどんな資格を持っているかは必ずチェックされます。
この記事では、
ライバルたちと差別化するためのオススメ資格
を紹介しつつ、
ムダな試験勉強をしないように、評価が上がらない資格
も解説していきます。是非ご覧ください!
銀行への就職に必須資格は無い

銀行は金融業界の中核に位置する職業なので、採用されるためには以下のような資格が必須と思われがちです。
私自身、現在も働いている地銀のほかメガバンクにも合格しましたが、当時保有していた公的資格は運転免許のみでした。

あとは英検くらいです…
まずは資格を取る目的を明確にしよう!
将来、銀行への就職を考えている皆さんは

就職を有利に進めるため、何の資格を取ろう?
という風にWHAT(何)から考えますよね。
しかし、大切なのはWHATよりもWHY(なぜ)。つまり、何のために資格を取るかです。
ということで、資格を取る目的について優先度が高い順に紹介します!

自分に最適な目的をみつけましょう。
銀行の採用試験を受けるため

銀行の採用試験を受けるのに、必須の資格を取ろう!
何度も言いますが、銀行に入るための必須資格はありません。
しいて言えば、学歴により受けられる採用コースが限定されることくらいです。詳しくは下の記事をチェック!
- 総合職採用:基本的に大卒以上
- 一般職採用:高卒もOKなことも

銀行の採用試験に受かるため

銀行の採用試験でアピールできる資格を取ろう!
銀行へのアピールのため、資格を取ろうとする人はとても多いです。つまり、同じことを考えているライバルが多いということ。
したがってライバルたちに勝つため、どのように差別化するか?が非常に重要です。
ここでは、2つの差別化戦略を紹介します。
- 金融知識をトコトン突き詰める戦略。
- 「他業界に興味なし!金融しかないんです!」という意気込みが伝わる資格でアピールする戦略。
- この戦略では、難易度が高い金融系の王道資格(詳しくはコチラ)が求められます。
- 金融特化型戦略はライバルが多い。
- そこで、ライバルが少ないニッチな資格でアピールするのが希少性戦略。
- 他の人が保有しない金融以外の珍しい資格(詳しくはコチラ)で勝負します。
銀行に入ったあと困らないため

銀行に入ったあと困りたくない…
という観点で、資格取得を検討することも大切ですね。
ここで紹介したいのは2つの事実。
- 銀行で働くにあたり、最も困るのは車の運転ができないこと。
- 理由は、営業回りのときに車を運転するから。
- 学生のうちに運転免許を必ず取得しましょう!
採用決定後に取得を命じられる資格

最後は、採用が決定したあとに銀行から取得を命じられる資格について紹介します。
具体的には、金融商品などを販売するための販売資格です。
なお、融資業務を行うための必須資格はありませんが、逆に財務分析や法務・税務を中心に様々な知識が必要です!
差別化せよ!ライバルに差をつける資格

採用試験を受けるライバルたちと差別化するための資格を紹介します。
2つの差別化戦略をおさらいしましょう。
- 金融特化型戦略:金融系の王道資格
- 希少性戦略 :金融以外の珍しい資格
詳しく見ていきましょう!

資格試験の内容や日程などはリンク先で確認しましょう。
難易度が高い王道資格
銀行の採用試験を受ける学生は、金融・ビジネス系の資格を持っていることが多いです。
したがって、

金融機関を受けるんだから、王道の資格を取ろう!
くらいのモチベーションでは差別化するのは困難です。
正しいモチベーションはこちら。

難易度MAXの王道資格を取るぞ!
難易度が高い王道資格は以下のとおりです。
中小企業診断士
王道中の王道は、中小企業診断士です。
- 銀行員は取引企業から様々な経営課題の相談を受けます。
- それらの課題を理解し、解決策を探るための知識を体系的に学べるのが中小企業診断士です。
- 若くしてこの資格を持っていると一目を置かれること間違いなし!
- また、出世する銀行員は高い確率で中小企業診断士資格を持っています。
証券アナリスト
証券アナリストは、金融系資格の王道資格。証券会社には多いですが、銀行員でこの資格を持っている人はそれほど多くはない資格。
- 銀行は預金などの資産の一部を株式や債券などの資産で運用しています。
- 証券アナリストは、企業評価・証券分析のノウハウを活かし、資金運用や銀行の資本計画などの業務に携わります。
- 証券アナリストは、まさに金融のプロ中のプロ。
- 活躍の場面は、富裕層ビジネス担当だけでなく、銀行の根幹を担う資金運用・資本計画も担える人材として期待されます。
日商簿記1級
ビジネス系資格の王道の日商簿記。簿記資格の中で最難関の簿記1級。ライバルたちとの差別化ポイントになります。
- 実は銀行では簿記の知識が必要なシーンは限定的。
- 簿記は企業の決算書を作るノウハウですが、銀行員に必要なのは決算書を分析するノウハウです。
- とはいえ、決算書の成り立ちを精緻に理解できる点で簿記1級は有意義です。
日商簿記3級では採用試験官は「あぁ簿記ね…」くらいの認知しかしませんが、日商簿記1級だと…

簿記、い、い、1級!!!
となります。
不動産鑑定士
不動産関連の資格の最高峰が不動産鑑定士。個人事業を営むことも可能なスペシャル資格。
- 不動産と銀行の関連は非常に深いです。
- なぜなら、銀行が融資するとき不動産を担保にとるから。担保にとる不動産の鑑定・評価のノウハウを活かせる不動産鑑定士は重宝されます。
- 銀行は、何かのプロフェッショナルに一目を置く風習があります。
- この意味で、不動産鑑定士は、一目置かれること、間違いなし!
他の人が持ってない珍しい資格
銀行の採用試験を受けるライバルと差別化する最も簡単な方法は、金融に関係がない資格を取ることです。
ただし、あまりにかけ離れた資格だと逆効果。
ギリギリを攻めて

面白い資格を持ってますね。なぜその資格を取ろうと思ったの!?
と採用試験官に言わせたら、あなたの勝ち!
MBA(経営学修士)
MBA(Master of Business Administration)は、企業経営の知識をマスターしたことの証明になります。
数年をかけて、経営に関する知識をヒト・モノ・カネの観点で余すことなく学び、やっとこさ取得できる学位です。

正確には、資格ではなく学位の一つです。
- 経営を体系的に理解できていれば、まずは法人営業担当として期待されます。
- MBA保有者は、銀行の中枢である経営企画関連のセクションへの道が開けます。

司法書士・税理士・公認会計士
士業の中でも超難関の3つです。
正直、これらの資格を持っていれば、銀行に勤めるのではなく、独立を目指す方がいいかもしれません…
が、当然銀行での評価は極めて高いです!
- これら士業資格があれば、頭がいい・真面目・専門性高いという評価に。
- 銀行でも法律・税・企業会計の知識を活かすシーンはたくさんあります。
ITストラテジスト
IT系資格のナンバーワンがITストラテジスト。ITによる企業戦略を構築するノウハウを体系的に身につけられる資格です。
- フィンテックが一世を風靡して早数年。ChatGPTなど生成型AIの登場により、どの業界もますますテクノロジーの知識が求められる時代。
- ITストラテジストを持つ若者は次世代を創る人材として期待されます。
通関士
通関士とは、海外との貿易に関する税関手続き等を行うための資格です。
海外との輸出入・為替・国際流通に関する知識など、他には類を見ない知識を得られる資格です。
- 一見すると銀行と関わりが少ない通関士。
- しかし、取引先企業の海外進出のサポートなどグローバル化への対応を考えると、通関士は将来性ある資格と考えられます。
きき酒師・焼酎きき酒師・日本酒検定
銀行業務とは馴染みの薄い、酒に関する資格たちです。
- まさに「なぜその資格を取ろうと思ったの!?」と言われる資格。
- もし採用試験で聞かれたら、以下のようにウィットに富んだ回答をしましょう!
- 「食」に関する知見を高めるため
- 酒好きが多い大人社会で、この資格の重要性を力説
評価が上がらない資格

最後に、銀行の採用試験では評価されない資格を紹介します。
金融系の資格の中には銀行に全く関係がない資格があります。
貸金業務取扱主任者
貸金業を営む企業には、この貸金業務取扱主任者資格を持つ社員が必須です。
となると一見「銀行にも必要なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、銀行は貸金業を営む企業ではなく、銀行業を営む企業です。
銀行には法律上、貸金業務取扱主任者は不要です。
アクチュアリー
超難関資格のアクチュアリー。保険会社で、保険料率の計算や保険商品の開発などを担う数理統計の専門家です。
この資格は保険会社に勤める人が目指す資格。銀行員には不要です。
宅建
銀行は不動産仲介業を行えません。
したがって、宅建資格を持っていても評価されることは少ないでしょう。

宅建資格を持った学生が銀行に入るケース自体は、よくあります。
残念ながら、宅建資格を持ってるからといって評価されることもなければ、出世に影響することもありません。
ITパスポート

どの業界も、ITに詳しい人材が欲しいだろう
ということで、ITパスポートを取得し、アピールしても効果はほぼありません。
理由は、低レベルの資格すぎるから。アピールするなら、せめて情報処理技術者試験(基本)くらいは必要です。
銀行に採用されるために必要なこととは?

銀行に採用されるため必須の資格はない。
とはいえ、ライバルと差別化するための資格は必要。
では、その他に、ライバルに勝つために必要なものはないのか?
それは、一言で表現するとお金を稼ぐ力です。

「お金を稼ぐ力」って何??
お金を稼ぐ力は、様々な能力と心構えを総合的に持つこと。
具体的には以下のようなものです。
- 稼ぎたいという気持ち
「稼ぐ」「儲ける」ことへの貪欲な気持ち - 知力・創造力
お金を稼ぐ方法を考えたり、創造する力 - 実践力・行動力
考えたことを実行する力・挑戦する心 - コミュニケーション力
人にモノを売るための説得力・伝える力 - 忍耐力・メンタル力
つらいとき、耐え忍ぶ鋼のメンタル - 倫理観・社会常識
人の道を外れない正しい心

お金を稼ぐ力を具体的に見ると、資格では測れないことが分かりますね。

まとめ

結論としては、
- 銀行の採用試験を受けるための必須資格はありません
しかし、他のライバルたちと差別化するためには
- 難易度が高い王道資格
(中小企業診断士、証券アナリスト、日商簿記1級、不動産鑑定士) - 他の人が持ってない珍しい資格
(MBA、士業資格、ITストラテジスト、通関士、酒関連資格など)
を持つことが大切です。
銀行の採用試験を勝ち抜けるよう、自分を磨いていきましょう!


