『銀行員と公務員、どっちがいいの?』
地元での就職を考えている人の多くが抱く疑問だと思います。
答えは・・・
あなた次第です!
1つのところで長く着実に働きたい!
より地域に密着した仕事がしたい!
という人は、公務員がオススメ。
金融や企業財務などに詳しくなりたい!
強いストレスの中で自分を磨きたい!
こんな考えの人は、銀行員向きです。
この記事では、
の3点について紹介します。
この記事を読むと、
あなたが、銀行員と公務員どちらに向いているかが見えてきます。
是非ご覧ください!
【基本】銀行員と公務員とは!?
銀行員も公務員も、公共性が高く地域に密着した職業。
しかし、両者は全く異なる職業です。
まずは、基本知識をチェックしましょう!
銀行員は公務員ではない
公務員は、国および地方自治体、国際機関等の公務、すなわち公共サービスを執行する職員のこと
Wikipedia「公務員」
簡単にいうと、公務員は『地方自治体や国際機関に属して、公共サービスを提供する職業に就く人』です。
一方、銀行員は『銀行に属して、金融サービスを提供する仕事に就く人』。
また、組織としても銀行は一般法人であり、地方自治体等ではないという違いもあります。。
ということで、銀行員と公務員は全く別の職業です!
組織の存在目的の違い
銀行と地方自治体の大きな違いは、その存在目的です。
銀行の存在目的は、
株式会社として、高い収益を継続的に出し続けること
であり、そのためには地域の発展が欠かせません。
一方で、地方自治体は
住民や地域企業の日常生活を全般的にサポートすること
を目的として、行政サービスを提供しています。
つまり
銀行員には何よりもまず、収益をあげることが求められ、公務員には収益は全く求められない。
この点は、大きな大きな違いです。
公務員の中には「収益を意識している」という人もいます。
しかし、銀行の営業ノルマや株主からの圧力などと比べれば、雲泥の差です…
銀行から県庁に転職した人インタビュー
以下は、現役銀行員の私と、私が勤める銀行を辞めて県庁に転職した人のリアルな会話です。
銀行を出て、初めて気づいたよ。
銀行や銀行員の異常さに。
あぁ銀行の異常さは、働きながら感じるわ~。
いや、辞めないと分からないと思う!
銀行の異常さの根源は、そこで働く銀行員の異常さにある。
銀行員はマジでヤバい!!
そ、そ、そうなの!?
まず、銀行員は自分の保身のことしか考えてない。そのくせ周りの人に過干渉で、集団意識が強い!
多様性とか言ってるけど、個性は認められず、金太郎アメのような人材ばかりになってる。
保身・干渉・集団意識・無個性っすか・・・。
これらがそのまま銀行の特徴そのものってことね。
でも、銀行は地域に必要でしょ!
いや、世間は甘くないよ。
銀行は頼りにされなくなってきてる。県庁の人たちは、銀行員のレベルの低さを感じてるよ。
特にこの頃は、銀行がサービスレベルを低下させてる分、世間の銀行への期待も低くなってるって。
逆に、公務員ってどうなのよ!?
正直、給料は銀行の方が高い。福利厚生は同じくらい。
仕事は、組織内の利害関係者が少ない分、やりやすい。
それに、意外と裁量権が与えられるので、自分で考えたことを自分で実践できる。
ただし当然、責任は自分で取る必要があるけどね。
裁量権くれるのは、うらやましいな・・・
仕事内容
銀行員の仕事内容
銀行に入ると、ほとんどの人が最初は支店(営業店)に配属になります。
支店では
等など多岐にわたる業務をおこないます。
最初のうちは、特に専門的な知識がなくても、問題なく業務ができるでしょう。
しかし、勤続年数をかさねるにつれて、お客様からの難しい相談や高度な金融知識を求められるようになります。
融資先の企業の経営課題などに直面する度に『融資知識』や『企業財務』、『高度な金融商品知識』『税制』などの学習が必要です。
苦労は多いですが、金融のスペシャリストになれますね!
また、2~4年ごとに人事異動で、新たな支店で働くことになります。
メガバンクであれば全国いろいろな土地で仕事ができます。地銀も、東京・大阪などの都市部や近隣の府県に支店があるので、様々な場所で働けます。
基本的には、どこの支店にいっても金融に関する業務に携わるので、働けば働くほど(努力に応じて)金融知識が身につきます。
公務員の仕事内容
この記事では、地方公務員の中でも『市役所』や『都道府県庁』で働く人にスポットを当てていきたいと思います。
公務員の仕事は、住民の生活をあらゆる面からサポートするものであり、その種類は極めて多岐にわたります。ざっと挙げるだけでも
この他にも、文化振興・地域防災・ごみ収集などの環境保全・地方税を管轄する税務業務など、色々な仕事を経験できる可能性があります。
給料水準
銀行員の給料水準
銀行員の給料は、他の業種と比較してとても高いです。
理由は『優秀な人材を確保するため』や『大卒者ばかりなので給料の平均値が下がらない』などありますが、一番の理由は『お金の使い込み等の不正を行わないよう給料を高くしている』と考えられています。
逆にいえば、銀行員には『高い倫理観』が必要です。
銀行に入ってからは、役職が上がるごとに給料もどんどん上がります。
一般的には、新入行員から最初の役職がつくまでの給料は、他の業種と同じくらい。しかし、経験をつみ、役職がつくと一気に給料が増えます。
若い銀行員は大変!?
と思いきや、福利厚生が充実してるので生活はラク。
福利厚生の詳細については後述します!
押しなべて給料が高い銀行員ですが、2つの注意点があります。
1つは『能力や実績によって給料が左右されること』。
能力が低いと昇給や昇進は難しく、給料が上がりにくい。また、ひどい人だと時間外労働も制限される、といったケースもあります。
2つ目は『銀行の決算内容によって、賞与(ボーナス)が増減すること』。
銀行員は賞与も高いです。
しかし、賞与は決算連動するので、銀行の業績が悪いと賞与は著しく減ることがあります。
公務員の給料水準
公務員の給与の特徴は、安定感。
公務員の給料は、一般企業のように収益や業績によって給料が左右されません。
また、公務員は『お金を稼ぐ』や『株主利益を最大化する』といった収益目標がありません。公務員の人事評価は、地域の役に立つ活動を計画どおりに進めること。
そのため、公務員の給与は一定のベースラインが存在し、公正に支給されるようになっています。
さらに、公務員の給与は役職や勤続年数によっても異なります。
銀行も役職に応じて給与はUPしますが、勤続年数での評価はあまりありません。公務員は『長く勤めている人には、高い給料を払うこと』をとても重視しています。
働きやすさ
銀行員の働きやすさ
結論からいうと、銀行は働きやすい職場とは言えません。
銀行員は9時から15時まで働けばいいと思っている人もいるかもしれません。しかし、実態は逆で、15時以降が本当の勝負の時間です。
など、山のようにやることがあります。
仕事量以外の働きにくさの原因が『銀行独特の企業文化』と『人間関係』。
よく言われるのが『銀行の常識は、世間の非常識』。銀行の実態を旧友などに教えると「よくそんなところで、平気な顔して働けるな…」と言われることも多々あります。
また、給料のところでも説明しましたが、能力や実績に応じて給料が変わってくるため、人の手柄を自分の手柄にしようとしたり、人間関係が複雑です。
詳しくは、まとめ記事をご覧ください。
公務員の働きやすさ
公務員の働きやすさの特徴は、まずは安定した雇用環境が挙げられます。
公務員は基本的に終身雇用が保証されており、安心して働くことができます。
次に『人間関係』。
銀行を辞めて公務員になった人の話をまとめると
とのことです。
一方、独自のルールや手続きが多いことや、政策変更が首長の交代などで業務の影響を受ける点は働きにくい部分と言えます。
福利厚生
銀行の福利厚生
銀行員の福利厚生はかなり充実しています。
まずは、年間休日の充実度。
銀行員は、週休2日制が一般的で、さらには祝日や年末年始は確実にお休みです。また、不正防止の観点から年に1回、絶対に1週間お休みすることが義務付けられています。
続いては、金銭面。残業手当や賞与の支給など給料の面は当然として、住宅手当や通勤手当などの各種手当は充実。さらに、若い銀行員のための寮、そして社宅も完備。これらの家賃は、同じエリアの家賃相場をはるかに下回る金額です。
さらに、教育制度やキャリア支援制度も整備されています。能力・やる気さえあれば、銀行のお金で興味のある研修に参加したり、様々な資格へのチャレンジが可能です。他社や他行への出向を通じたスキルアップの機会もあり、自己を磨くことに積極的に取り組むことができます。
私自身も、超大手のシンクタンクやIT企業などへの出向を通じて、様々な経験を積みました。
この経験は、銀行に勤めていないと得られない、非常に貴重なものと感じています!
公務員の福利厚生
公務員の福利厚生について、まず挙げられるのが安定した雇用と給与体系。公務員は、終身雇用や昇給の制度があり、企業のように業績に左右されないので、安定した収入を得ることができます。
また、休暇制度も充実しており、有給休暇や特別休暇などが十分に取得することができます。さらに、家族手当や医療保険などの福利厚生も整っており、生活面でも安心感を得ることができます。
最大の特徴は、政府が掲げる社会変革の先駆者となる点です。
例えば『育休』。政府が推し進めた育休ですが、民間での育休取得なんてたかが知れています。
しかし、公務員は違います。政府という最高決定機関からのお達しで、無理やりにでも育休を取得させられます。もちろん良い面も悪い面もありますが、働きやすい社会を作ろうとする昨今、新しい制度を先陣をきって実践させられる公務員は、その恩恵に預かれると言えます。
将来性
銀行員の将来性
銀行員の将来性は正直、微妙です。
銀行最大の売上は『融資部門』。
預金で預かったお金を融資と言うかたちで、資金不足の企業や個人に貸し付けて、利息収入を得ます。
最大の売上げは『融資』ですが、利益ベースで見ると『資金運用部門』が最大という銀行も多いです。
しかし、現在ではクラウドファンディングのように、資金を調達する手段が多くなっており、お金に困っている人が銀行を頼る機会は減っています。つまり、銀行の売上機会は減少しつつあります。
となると、新たなビジネスチャンスを模索するのが企業行動。
しかし、銀行はこれまで『護送船団方式』と揶揄されるように、法律により競合との争いがない世界でビジネスを展開してきました。
そのため、新しい考え方や新たな収益源を模索するノウハウに乏しいのが現実。
ピンチをチャンスに変えるべき今、なかなか一歩を踏み出せないのが銀行の現状です。
公務員の将来性
公務員の将来性は良くも悪くもないといった状況。
地方公務員は地方自治体の重要なポジションを担っており、職にあぶれることはないでしょう。
しかし、逆にいえばビジネス感覚や収益意識、稼ぐ貪欲さなどを体得する機会が少ないことは紛れもない事実。
そのため、公務員から他の業種・一般企業に転職するという話はほとんど聞いたことがありません。また、転職したとしても、その後に目を見張るような活躍をしたという例はほとんど聞いたことがありません。
むろん『鋭いビジネス感覚を持つこと』が人生の全てではありません。
「社会を良くしたい、住みやすい世の中をつくりたい」という考えは銀行員も公務員も同じ。しかしながら、銀行員と公務員ではアプローチが違います。
公務員はあくまで「人のため、世の中のため」という考えに重きをおくもの。社会に奉仕する気持ちが強い人が公務員の重責を担うべきでしょう。
社会的評価
銀行員の社会的評価
銀行員の社会的な評価は「悪くない」という表現が妥当でしょう。
基本的には、祖父母や親戚の人たちは、銀行に就職が決まったと聞くと喜ぶことがほとんど。
銀行は個人や企業の金融取引を支える重要な存在ですし、金融に関する専門知識やスキルは一般的には得難いもの。親戚のおっちゃんなんかは、金融関係の悩みをバンバン相談してきます。
一方で、社会には「銀行なんて大っ嫌い」という人が一定数います。
そんな人たちは、過去に銀行で嫌な思いをしたことがある人だったり、ローンの審査で否決されたりなどが考えられます。
また、銀行の激務っぷりを心配する人も結構います。
ということで、銀行の社会的評価は基本、悪くない。しかし、人によってはシロい目で見られることもあることを認識しておくとよいでしょう。
公務員の社会的評価
公務員の社会的な評価もとても高いです。
銀行員の社会的な評価とは全くの別物。
一言でいえば『公務員なら間違いなく安定してるわ~』です。
公務員はクビになることが絶対にあり得ません。親や親せきは超安心します。
絶対に食いっぱぐれることがない安心感は、社会的評価につながります。
その点、公務員になってネガティブな評価をする人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
まとめ
銀行員と公務員の違いを比較してきました。
銀行員も公務員も、それぞれの魅力があり、またそれぞれのネガティブな面があります。
就職先を決めるにあたっては
『どこに就職するか?』より先に『自分はどんな人間なのか?』を明確にする必要があります。
自分の特徴を把握しつつ、「自分がどんな人生を送りたいか」をしっかり自問自答したうえで、後悔のない就職先を選択しましょう!