高校を卒業後に、銀行に就職できるのか?
結論からいうと、高卒採用枠は増えているため(コチラ)、高卒で銀行に就職しやすくなってます!
ただし、銀行に入ったあとで後悔しないため、高卒で銀行に勤めるにあたってネガティブな面を分かりやすく解説していきます。
ネガティブな面とは
- 銀行は斜陽産業であること
- 大卒との待遇の差
- 学ぶ機会が失われること
など様々あります(コチラ)。
是非ご覧ください!
「高卒採用」に関する昨今のニュース
人手不足が叫ばれる昨今の日本。
まずは、高卒採用に関するニュースについて見てみましょう。
熊本銀行で14年ぶり高卒採用
2023年4月
『熊本銀行で14年ぶりに高卒採用』がニュースとして報じられました。
今後、労働力人口が減少することは確実。
したがって、銀行は大卒・院卒者に限定せず、高卒者への採用募集を広げることが予想されます。
高校を卒業して、すぐに銀行で働けるチャンスが!
高卒採用者は令和の「金の卵」
次は、2023年10月
『高卒採用者は令和の「金の卵」。バブル期以来の求人倍率』とのニュースが。
多くの企業が、高卒予定の皆さんを欲しがっているということです。
日本の労働力人口の減少が著しいということが言えます。
銀行の高卒求人パターン
冒頭でもお伝えした『銀行の高卒採用枠が増えていること』について、具体的な銀行の高卒採用枠を紹介します!
ここで紹介される枠をライバルと取り合うことになります。
一般職採用枠
冒頭の熊本銀行の高卒採用例のように、最もポピュラーかつ最も応募も多い採用枠が「一般職採用枠」。
大卒を中心とした総合職採用と同様に、SPIなどの筆記試験や面談を通じて、内定を勝ち取らないといけない枠。
ただし、総合職採用枠と高卒を中心とした一般職採用枠は分けられているため、あくまでライバルは高校卒業予定者や短大卒業予定者に絞られます。
先生に、採用実績がある銀行がないか聞いてみよう!
指定校推薦枠
商業高校など特定の指定校から「指定人数だけ採用を行う枠」。
この枠は、指定校内の生徒たちが推薦枠を競い合うことになります。
当り前ですが、そもそも指定校推薦枠がない高校の人は、この採用枠は利用できません。
先生に、指定校推薦枠がないか聞いてみよう!
スポーツ推薦枠
地方銀行の中には、スポーツに力を入れている銀行があり、「銀行員をしながらスポーツ選手として活躍してもらう採用枠」を設けているところもあります。
超有名などころでは、北海道銀行のカーリング部が挙げられます。
技術者枠
技術者とは、AIやデータサイエンティスト等の技術者ではありません。
銀行内(本店やシステムセンター等)の建物管理や電気機械の保守を行う「技術者の採用枠」のこと。指定校推薦と似ていますが、この採用枠では工業高校を卒業した人で、電気主任技術者などの難関資格を持った優秀な人が採用されます。
この採用枠は極めてレアです!
ハンディキャップをお持ちの人枠
銀行には、デスクワークの業務や集中力を要する業務など、何らかのハンディキャップをお持ちの人が活躍できる採用枠も存在します。
銀行への就職の注意点
様々なかたちで高卒採用があり、また今後は高卒採用が増えていく・・・
という中ですが、高卒で銀行で働くにあたってネガティブな面も多くあります。
詳しく解説していきます!
銀行は斜陽産業
斜陽産業とは、
ピークを過ぎてからは落ち目になり、生産や売上が低迷している産業界を意味する。
weblio辞書「斜陽産業」
『銀行に就職したら安泰』は過去のこと。
銀行が今までと同様に収益を上げることは困難。その理由は、
- 銀行の「貸出(お金を貸す)」を必要とする日本企業が減っている
- クラウドファンディングなど、日本企業がお金を調達する方法が増えている
- 楽天など他業態から銀行業への参入により、競争が激化している
といったことが挙げられます。
大卒者との待遇の差が大きい
安泰とはいえない銀行。
それでも、報酬や学びの機会が多ければ、まだ働く意義はあります。
しかし、大卒と高卒では「初任給・昇給など報酬制度」や「人事評価・人事異動での扱い」が異なる銀行がほとんど。
この問題の本質は「銀行で働き続ける限り、大卒との待遇の差は埋まらないこと」です。
具体的な事例を紹介すると、
『仕事はダメダメな大卒でも、自分より高い報酬をもらい人事評価も良い』ということが延々と続き、それに耐えなければいけないのです。
得られる経験・スキルが少ない
皆さんの中には、
『銀行で様々な経験をして、高度なスキルを習得したい!』という立派な考えの人もいるでしょう。
しかし、そんな人ほど銀行は避けるべき。
なぜなら、せっかくやる気があっても、貴重な経験の機会は大卒以上の銀行員が優先されるから。
一般職採用の高卒の人は異動も少なく、同じ職場で同じ仕事をコツコツ行うことを求められがちです。
大学等で学ぶ機会を失う
高校卒業前の皆さんには「銀行等での就職」以外にも、「大学や専門学校で学ぶ」という選択肢があります。
当り前のことですが、銀行に就職すると、大学等で学ぶ機会はほぼ失われます。
ご家庭の事情で、働かないといけない人もいるとは思います。
しかし
「何を学びたいか?」がないから、とりあえず働く。そんな人がいたら、これから学んでみたいことを熟考して、納得いく・後悔しない進路を選ぶことをオススメします。
銀行に入るためには…?
ネガティブな面をご理解いただいたうえで
- それでも銀行は安定してる
- 高望みはせず、コツコツ働きたい
- 大学いくより、早く社会に出たい
と思う人のために、銀行に入るコツをいくつか紹介します。
資格について
採用試験にあたっては、やはり資格を持っていると評価は上がります。
大卒は大学名で学力が分かる。
高卒だと、資格により地頭の良さを判定されがち!
ここで注意したいのは意味のない資格を取らないことです。
以下の資格は、金融のプロの目線から見て、意味がないので取得する必要ありません。
- 銀行業務検定試験
「銀行実務をやったことない高校生がとって、どうすんの?」と思われます。そもそも、この資格は『主として銀行・保険・証券等金融機関の行職員を対象(銀行業務検定試験HPより)』としてます。銀行に入って、実務を少し経験してから受験しましょう! - 簿記3級
とあるサイトを見て、愕然としました。『簿記を取ると、財務諸表を読み取る力がある』『企業の資金運用などの仕事を任される』
全部ウソです。
簿記は『財務諸表を作成する力』であり、財務諸表を分析する力は全く別(中小企業診断士等)。資金運用も全く違うノウハウが必要(証券アナリスト等)。
また銀行員は決算書を作りません。したがって簿記は「ないより、あった方がいい」くらいの評価です。 - 宅地建物取引士(宅建)
銀行業法の規制により、銀行は不動産業を営むことはできません。したがって、宅建を持っていても意味がありません。
アピールポイントについて
採用試験で確実に聞かれるのが、あなたのアピールポイント・強みです。
さぁ、ここで何と答えるか?
悩みますよね。
正直に答えてもいいですが、
私のオススメは、鋼のメンタルや食らいつく根性・粘り強さといった精神論をオススメします。
なにせ、採用試験する側の興味は
この子、すぐ辞めないよな…
です。
「高卒者の離職率の高さ」なんて関係ない
「銀行の激務に耐えられる」というアピールは、試験官にきっと刺さります!
志望動機
次に確実に聞かれるのが、志望動機ですね。
これは端的にいうと
- アホっぽい志望動機でなければ、内容は何でもいい
- ただし、自分の言葉で言おう!
正直、高卒者に求めるものは、目に見えて高い能力や深い知識ではありません。
求めるのはポテンシャル。
銀行は、まだ見えない秘めた可能性に期待しています。
したがって、教科書どおりの表面だけ着飾った回答はNG。
自分が思っていることをしっかりと自分の言葉で伝えましょう。
まとめ
今後、拡大するであろう銀行の高卒採用枠。
先生や家族が、銀行への就職をすすめるかもしれません。
しかし、就職先を決めるのはあなたですし、就職した先で苦労するのもあなた。
後悔しない人生をおくるためには、自分自身が納得して進路選択することが最も大切です。
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