ChatGPT、ウソ言ってないよな
ChatGPTはどんな質問に対しても、会話形式で論理的な回答をすぐさま返してくれる
といっても、その回答が間違った情報だと意味ないですよね。
そこで、ChatGPTが銀行に関する質問に正しく回答しているのかを、現役銀行員が検証してみました!
いくぞ!ChatGPT!!
2023年4月時点の調査結果です!
■ChatGPTに「銀行での悩み」を相談してみた記事は↓。
【前提】ChatGPTとは
ChatGPTはOpenAI社が開発したチャットボットです。
Digital Shift Times
その最大の特徴は会話形式でやり取りできること。しかも単に質問に答えるだけではなく、質問の前提に含まれる誤りを指摘したり適切ではない質問自体の回答を拒否したりといった、より自然な問答が可能です。
ChatGPTの驚くべきところは、その自然な回答と会話形式でのコミュニケーション。
そんなChatGPTの回答は、本当に正しいのか?
検証していきましょう!!
【本題】ChatGPTは正しいことを言ってるか?
ヘイヘイ!ChatGPT!!
まずは、簡単な質問いくぜ~
銀行員が自分の銀行で預金すると金利優遇ある?
評価は『△』です。
従業員の預金金利が高くならないことは正解!
一方、2.はさっぱり意味不明。
銀行には、金利優遇してまで従業員の信頼性を高める理由がありません!
ChatGPTは、企業の気持ちまでは分からないようです( ゚Д゚)
次は、銀行員が自分の銀行でローンを借りるときの質問です。
銀行員が自分の銀行でローンを借りると金利優遇ある?
これも、評価は『△』。
1.の回答はそのとおり。しかし、2.の回答は考えが浅いです。
現在、銀行の課題に「従業員の離職」があります。
住宅ローンなど従業員向けの金利優遇で、多少は離職率を低減できるかもしれません。
ChatGPTは「融資=収益源」という一面でしか見てないと考えられます。
銀行員には、預金もローンも従業員優遇が無い。
銀行員になるメリットって何!?
銀行員になるメリットとは?
評価は『〇』です!
現状は、概ね回答のとおり。
しかし、近未来では「安定雇用」や「給与」「社会的地位」は無くなりそうです。
回答の中に「銀行員がキャリアアップしやすい」とあります。
具体的には、どのような業界にキャリアアップするのでしょうか?
銀行員の転職先で多い業界は?
これは『〇』の評価です。
転職で最も多いのは金融系。特に多いのは銀行・保険会社。
また、経営コンサルや意外にもIT系コンサルもあります。
企業の財務部門だと、取引先への出向も含み、大いにあり得ます。
ここからは、少しだけテクった質問を始めます!
社会人が初めて作る口座の決め手は何?
これは『×』!!
一見それっぽい回答ですが、決定的な決め手が抜けています。
それは『勤務先が指定する金融機関であること』です。
社会人のファースト口座は、ほぼこの理由で決まります。
回答の中で、気になるのが「キャッシュカードの特典」。
そんなんある?
ってことで、次の質問へGO!
キャッシュカードに特典があるの?
これは『×』の評価!
この回答、いずれもキャッシュカードではなく、デビットカードやクレジットカードの特典ですね。
もしかして、ChatGPTはキャッシュカードとデビットカードの違いを分かってない!?
次の質問にいきましょう!
キャッシュカードとデビットカードの違いは?
極めて×に近い『△』です。
1.は正しいですが、よく見ると1.と4.は全く同じ内容(笑)
次の2.は、口座現金も口座残高も同じなので、違いじゃない( ゚Д゚)
最後の3.はデタラメ。キャッシュカードも暗証番号が必須!
逆に、デビットカードはタッチ決済だと、暗証番号なしで取引可能!
次は、ガラリと変えて
『銀行特有の略語・言葉』を質問してみます。
金銭消費貸借契約書の略称は?
※金銭消費貸借契約書=お金を借りるとき、銀行と締結する契約書のこと。
コレ、評価は『笑』ですw
かりけいって何(笑)
かなりテクった略し方!
正しくは『金消契約(きんしょうけいやく)』!
信用保証協会の略称は?
※信用保証協会=企業などが融資を受けるときに、その債務の保証をしてくれる公的機関。
『???』ですね!
質問の回答に全くなってないです(笑)
・・・ちょっと待てよ。
これ、私の聞き方が悪い???
銀行では、信用保証協会を何と略しますか?
キターーーッ!!
そうです。多くの銀行が「シンポ」と略します。
しつこく「シングル」を出すのがナゾですが、正答です!
ということで、ChatGPTを使いこなすためには、『どのような質問をするのか?』がとても大事なようです。この『質問の仕方(プロンプト)』について、まとめた記事はコチラです。
まとめ
ということで、いま話題のChatGPTに「銀行に関する色々」を聞いてみましたが、結果は『イマイチ』と言わざるを得ません。
イマイチなポイントは
- 現状は一般論しか分からない。
「風が吹けば、桶屋が儲かる」的な理論を数珠繋ぎにすることはできない。 - 業界の人しか分からない近未来の予想はできない。
- 一見それっぽいけど、知識を持った人が見ると、全くのデタラメ回答をすることがある。
といったところです。
ただし、この検証は2023年4月末。
AIの機能は「どれだけ良質な教師データを用いて学習するか」であり、これからChatGPTは凄まじいスピードで進化していくことでしょう。いずれにしても、その動向には注視が必要です!
このブログでは引き続き、地味におもしろ回答してくれるChatGPTを追っていきます!
ビバ!かりけい!!