プロンプトとは
ChatGPTへの質問のこと。
専門的な知識を問われることが苦手なChatGPT。
ChatGPTから正しい答えを引き出すためには
『私たちが、どのような質問をするのか?』
つまり、プロンプトが重要ということが『銀行に関する質問の検証記事』で分かりました。
聞き方によって相手の回答が変わるのは、人間同士の会話も同じですね。
この記事では、
- 質問の仕方(プロンプト)で、ChatGPTの回答がどのくらい違うのか?
- ChatGPTが正しく答えるプロンプトのコツとは?
を検証していきます!
プロンプトとは?
プロンプトとは、ChatGPTへの質問のこと。
具体的には、以下の赤い〇の部分に入力する文章のことです。
ChatGPTに「あなたの名前は何ですか?」と質問。ChatGPTは、しっかりと名前を答えてくれました。
このように簡単な質問には正しく即座に答えるChatGPT。しかし、金融や法律など専門的な質問になると、プロンプトによって、回答内容もその正否も変わってきます。
ということで、次は『プロンプトによって、ChatGPTの回答がどのくらい違うのか』を検証していきましょう!
プロンプトによって回答がどのくらい違うのか?
それでは、『銀行の支店は閉店したあとの15時以降、何をしているのか?』を例に、プロンプトによって、ChatGPTの回答がどのくらい違うのかを検証してみましょう!
銀行は3時以降、何してるのですか?
「15時」を「3時」と表現したり、「何してるのですか?」といった少し稚拙なプロンプトにしてみました。
この質問は、支店が閉店した後の話なので、1.の『IBのメンテ・アプデ』は不正解。また3.『銀行内の清掃』は、あえてピックアップするほどの作業ではありません。
銀行は15時以降、何をしているのですか?
次は、稚拙さをなくし、普通の言葉遣いのプロンプト。
1つ前の稚拙なプロンプトとの違いは、『銀行内の清掃』の代わりに『資料・報告書作成』が加わった点。課によりますが、『資料・報告書作成』は主な業後作業の一つなので、精度は上がったと感じます。
銀行は、支店が閉まった15時以降に、どのような仕事をしているのですか?
次は、「15時」を「支店が閉まった15時」という表現に、「何してる?」を「どのような仕事をしてる?」と、それぞれの言葉に具体性を持たせたプロンプトです。
回答が、大きく変わりました。
新たに加わった『経理業務の処理』には、伝票処理を含んでいるため、正解に近づきました。一方で、『セキュリティの維持・管理』は、何を指すのか分かりません。
他には『顧客対応』が変化して『顧客対応の準備』に。以前の『顧客対応』の中に、“準備”が含まれていただけに、回答が劣化しています。
ということで、「銀行は15時以降、何してる?」というシンプルな質問でも、プロンプトによって、回答内容が異なることが分かります。
プロンプトのコツ
日々の銀行員生活(本部勤務)の中で「ChatGPTを使って業務を効率化できないか」と様々な質問・実験をしてきた経験から得たプロンプトのコツを紹介します。
聞きたいことを明確に
聞きたいことが不明確で曖昧だと、ChatGPTの回答も曖昧なものになります。
例えば「住宅ローンってどうなの?」と問われても、ChatGPTは『家を購入するためのローンです』としか言えません。
この「どうなの?」の部分をしっかりと具体化して、「借りるデメリットはないの?」や「借りる準備って大変なの?」、「返せなかったらどうなるの?」など聞きたいことを明確にしておきましょう!
質問を明確にした結果、ChatGPTでなくブラウザ検索で十分ということもありますね。
正しい言葉で書く
音声や対面とのコミュニケーションだと、言葉の強弱やジェスチャー・表情など様々な要素を持って、相手の意図をくみ取ることができます。
しかし、ChatGPTへの質問は、テキスト情報としての『言葉』のみ。
- 「て・に・を・は」が正しくない
- 主語がない
- 漢字・文法に誤りがある
といった言葉の間違いがあると、ChatGPTは質問の意図を正しく認識できず、回答も的を得ないものになりかねません。
ChatGPTに、『阿吽の呼吸』や『空気を読むこと』を期待してはいけません!
前提条件をしっかり書く
ChatGPTから、より正確な回答を得るためには、自分が知りたいことの前提条件をしっかりプロンプトに盛り込みましょう。
例えば『銀行で活躍するために必要なこと』。
質問者が「新人か中堅どころか」で必要なことは異なります。あるいは「営業店・本部なのか」、営業店なら「渉外課・融資課・店頭窓口なのか」でも違ってきます。
まずは、前提条件など一切なしで質問すると…
『銀行で活躍するためには何が大事ですか?』
回答は「顧客ニーズ理解力」「金融知識」「コミュ力」「チームワーク」「エチケット」。どれも当たり前すぎて、イマイチな回答です。
次に、「法人渉外を担当する若者」という前提を入れると…
『私は法人渉外を担当する邦銀の新入社員です。私が銀行で活躍するためには何が必要ですか?簡潔に教えてください。』
回答は、「業界知識」「コミュ力」「金融知識」「チームワーク」「エチケット」「顧客からの信頼」「ビジネスマインド」「自己研鑽」「デジタル知識」「競合情報」。
かなり核心に迫る回答内容になりました。
可能な限り、知りたい情報の前提条件をプロンプトに盛り込むことをオススメします。
ChatGPTの役割を与える
同じ質問でも、聞く相手の役割や立場によって、捉え方や回答は違ってきます。
例えば『銀行で横領事件が発生したとき、どうすべきか?』
- 事故者なら、即刻自首して、罪を償うべき
- 事故者の上司の立場なら、リスク管理部門へ報告が求められ
- リスク管理部門は、事件対応と改善策
- 広報部門は、外部リリース
等々、役割によって「どうすべきか?」は全く異なります。
ChatGPTに役割を伝えると、その役割に沿ったより細かな回答を返してくれます。
改善を促しながら、何度も聞く
ChatGPTの特徴の一つが「会話形式のやり取り」。ChatGPTは、前の会話内容を踏まえて、新たな質問に答えてくれます。
※ChatGPTの特徴などをまとめた記事はコチラ。
この特徴を利用して、実践したいのが『質問意図を満たすまで、改善を促しつつ質問を繰り返すこと』です。以下は「新商品のプロモーション企画」に関する例です。
まずは『新商品のプロモーション施策案を教えてください」と質問。
たくさんの案が出たので、絞るため
『デジタルプロモーションではどれがおすすめですか?』と質問。
予算があまり無いことを踏まえ
『予算が最もかからない方法はどれですか?』
ということで、自社SNSほかオウンドメディアでのコンテンツ配信や口コミ・紹介といった施策の方向性が提示されました。ここから、さらに施策を深ぼることも可能です。
まとめ
ChatGPTの回答の正否を左右するプロンプト。ChatGPTをうまく使いこなすためには、プロンプトをマスターする必要があります。
この記事では、プロンプトのコツとして
- 聞きたいことを明確に
- 正しい言葉で書く
- 前提条件をしっかり書く
- 改善を促しながら、何度も聞く
といった点を紹介しました。
これら基本的なコツをしっかり守りながら、ChatGPTを使って、新たな価値を創造しましょう!