この記事は、様々な銀行と接点をもつ現役銀行員の私が、約50行・100人以上の銀行員の情報をもとに銀行の役職を紹介しています!

銀行の調査役に関するネット記事はたくさんありますが、その多くが間違っています。
2026年1月時点『銀行 調査役』と検索して最上位に表示される記事にすら、誤った内容が書かれています。
調査役は特定の部門、特に監査部門で重要視されることが多く、管理職とするケースもあります。
ある銀行では調査役というと部長クラスなのにある銀行では係長手前のクラスなんてことがあります。
銀行の調査役は特定の部門に限定せず、あらゆる本部各部にいるミドルクラス(管理職手前)の役職です。「調査役が部長クラス」は有り得ません。
この記事では、調査役を含めた銀行独特の役職を網羅的に解説します!
まずは、銀行の役職を一覧でチェック(↓)。
銀行の組織体制

銀行では、同じ職位でも部署によって役職名が異なります。
ということで、役職を知る前に「銀行の組織体制」について紹介します。
- 銀行は支店(営業店)と本部で構成されています。
- 支店は一般的な支店と、ローンなど特定商品のみ取扱う専門店に分かれます。
- 一方、本部には多くの部署があります。具体的には下表のとおりです。
| 企画部門 | 経営企画、広報、ブランドCSR、主計など | 銀行の中枢のエリート軍団。銀行経営の方向性のかじ取り役。役員指示・金融当局の示達を瞬時に処理。スマート&華麗に仕事する人が多い。 |
| 営業部門 | 営業企画、本部営業、コールセンターなど | 営業に関する本部機能の全てを担う。営業企画、チャネル戦略、営業目標、対顧客の専門コンサル等を抱える大所帯。戦闘力が高い人ばかり。 |
| 人事部門 | 人事、福利厚生、健康管理 | 採用、人材育成・評価、人員計画等を担うエリート部署。穏やかだけど、目の奥が笑ってない人が多い。 |
| 審査部門 | 審査、途上与信管理、債権管理 | 法人融資の審査を担う専門部署。新規融資、業績悪化企業の管理、延滞管理など色々な業務を担う。 |
| 事務部門 | 事務管理、事務集中、バック事務 | 主に預金と為替の事務企画・運用・集中事務を担う。「正確な事務は銀行の品質」を背負う部署。頼りになるベテランが多い。 |
| IT部門 | IT企画・運用、DX推進 | 堅牢な銀行システムの運用を担う。近頃は銀行もDXの希求強く注目されがち。銀行内のIT専門家。 |
| 市場部門 | 資金運用 | 資金運用で稼ぐ影の稼ぎ頭。特殊部隊で在籍が長い人が多い。何に投資すべきか決して教えてくれない。 |
| 監査部門 | 監査 | 銀行全体の監査を担う頭取直轄の組織。物事の細部まで目を光らせる老獪なベテランが多い。 |

他にも総務や秘書、リスク管理など銀行によって様々な部署があります。


銀行の役職を網羅的に大紹介!

まずは、役職名のネーミング上の法則を紹介します。
- 主任〇〇や上席〇〇は、1つ上の役職。(例:主任調査役は、調査役の1つ上)
- 副〇〇は、1つ下の役職。(例:副部長は、部長の1つ下)
- 〇〇代理は、1つ下の役職とは限らない。(例:支店長代理は、支店長の2~3ほど下)
- 副長は、銀行によってかなり異なる。(例:主任と同等の下位役職、部長の1つ手前の役職)
それでは具体的な役職を紹介していきます。なお、レベルごとに記載している参考年齢は広めです。銀行によって年齢は大きく異なるので、参考までにご覧ください。

年収も銀行ごとに異なります。多い順に、都銀・第一地銀・第二地銀等といったイメージ。
レベル1:新卒入社直後
【支店・本部】行員、一般行員
新卒の銀行員は、まず行員や一般行員から始まります。一般企業でいう「平社員」と同じです。
新入行員は、基本的に支店からキャリアをスタート。バック事務・窓口・融資・渉外の順にジョブローテーションを行い、一通りの業務を担当しながらひたすら鍛錬します。

都銀や大手地銀には専門職採用制度があり、いきなり本部のケースも。
なお、行員や一般行員は肩書きではないので、名刺には記載されません。
レベル2:20歳後半~30歳前半
【支店】係長、主任、サブマネージャー
【本部】係長、主任、副調査役、ビジネスアシスタントリーダー
早くて20代後半で、最初の役職に就きます。早速、支店と本部で名称の違いが出てきます。
一般行員が、言われたことを理解・実践・習得の「学びのステージ」とすると、レベル2は自らが率先してチームを引っ張る「行動のステージ」になります。
そして、もう一つ期待されるのが一般行員のサポート。
係長や主任は、一般行員のいい兄貴・姉貴的な存在として業務面・メンタル面でサポートする役割も担います。

この役職には普通の人なら誰でもなれます。逆を言えば、30歳を超えてもヒラの人はヤバい人の可能性大!(詳細は記事「頭おかしい担当者の特徴10選と対処法」をチェック)
レベル3:30歳半ば~40歳前後
【支店】課長、支店長代理、マネージャー
【本部】調査役、主査、ビジネスリーダー
管理職手前のポジションで、どの銀行でも最も多い役職です。
支店であれば、
- 重要な取引先を担当する
- 営業目標の責任者になる
- 部下の人事評価を行う
などストレスもやりがいも大きいプレイングマネージャー的な役職です。
特に優秀じゃなくても、ごく普通に銀行の仕事をしていれば、この役職にはなれます。
次のレベル4から、少しハードルが上がります。

ちなみにこの役職から給与が大きく増えます!
レベル4:30歳後半~40歳代
【支店】次長 → 副支店長
【本部】課長、室長代理 → 主任調査役、上席調査役、グループ長 → 次長、室長、管理役・参事役etc → 部長代理、副部長
ここから役職の種類が格段に増え、銀行によって違いが大きく出てきます。
支店では、支店長の補佐役となる次長や副支店長が登場。
そして、本部では多種多様な役職が乱立。
こんなに複雑になった理由は以下のとおりです。
- バブル期の大量採用時代の銀行員向けのポストが必要になった
- しかし、全員同じポストだと不平が出るので、ポストに序列が必要だった

銀行の「〇〇役」というのは、元々は日本銀行が採用していたもの。調査とは、日本銀行が民間銀行の調査をしていたことに由来しています。
レベル5:40歳後半~50歳前半
【支店】支店長
【本部】 部長・担当部長
ついに、やってきました!晴れて、一国一城の主の支店長・部長です。
支店長は一定の専決権限を与えられ、支店内で絶対的存在として君臨。それと同時にその地域の名士として扱われます。
ただし、支店長でも店舗規模によって序列があります。小さな支店の支店長は、近隣の大規模支店の支店長の指示に従って動きます。詳しくは記事「銀行の支店長にはいくつかの地位がある」にまとめています。
一方、本部の部長は次は役員となる高い役職。しかし、銀行内の部門間のせめぎ合いや役員からのムチャぶりなどで、日々かなり大変そうです。
無論、部長の中にも以下2つの要因で序列が発生します。
- 所管する部署そのものの強さ
企画・人事・営業部門の部長が激強。 - 執行役員部長であるか否か
詳しくは、次のレベル6で紹介。
レベル6:50歳~
【執行役員層】執行役員 → 常務執行役員 → 専務執行役員
【経営層】取締役・監査役 → 常務取締役 → 専務取締役 → 副頭取 → 頭取
支店長や部長の中から、ほんの一握りが役員に昇りつめます。
昨今の銀行はほぼ執行役員制度を導入しており、執行役員が付かない取締役(ヒラ取)は非常に少ないです。
そして、執行役員を経ていよいよ経営層へ。経営層の役職名は、経営トップを社長ではなく頭取と呼ぶことを除いて一般企業とほぼ同じです。
無論、役員の中にも激しい序列があります。詳細は記事「銀行の役員には明確な序列がある!」をご覧ください。
「銀行の役職」の最新トレンド
ここでは、銀行の役職を取り巻く昨今のトレンドをピックアップして紹介します!
人口減少に伴う労働力不足の波は、銀行にも押し寄せています。そんな中、生まれたのが役職の兼任制。「〇〇部主任調査役 兼 △△部部長代理」といった兼任が増えています。
役職の兼任制とともに支店長の兼任も増えています。支店の合併と一緒に支店長の兼任辞令が発令されることが増えています。
広域で営業している地方銀行では、エリア統括責任者の設置が見られます。その走りが横浜銀行の「ミニ頭取」。大きな決裁権限を持つ人を現場に配置することで、スピーディな意思決定を実現しています。
2021年の銀行法改正により「金融以外の子会社の設立」が認められました。そんな中、40歳前後のミドル年代の銀行員が子会社の社長に抜擢される例があります。次世代の経営者候補に経験を積ませる、という考えもあるのでしょう。
銀行の役職定年は55でしたが、この役職定年を延長する銀行がでてきています。
古い銀行員に権限を持たせ続ける愚策中の愚策。銀行が変化できない理由は、このような悪しき人事制度に根本原因があると考えられます。
「営業統括部の部長の〇〇です」と差し出された名刺には『担当部長 〇〇』。部のトップ(部長)とは別に、特定業務に限定して統括する担当部長という役職が生まれています。
まとめ

皆さんが知りたい役職はあったでしょうか?
もし、無いようでしたら、お気軽にお問合せください。まだ知らない役職を調査いたします!
このブログでは、引き続き『銀行をもっと身近に、もっと活用』をコンセプトに、皆さんに有益な情報を発信していきます!


