銀行員になりたい皆さんの
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自分が通う学部から、銀行に就職できるかな?
という疑問に、現役銀行員が答えます!
結論から言うと
どの学部でも銀行員になれます。
もちろん、経済学部や商学部など金融・経済に関する学部から、銀行に就職する人が多いのは事実。
しかし、これら経済系以外の学部の方がチャンスは広がっていることもまた事実!
ということで、この記事では
- 銀行への就職に有利な学部はあるのか?
- 経済系以外の学部卒の銀行員はいるのか?
- 経済系学部の人が採用試験を勝ち抜くコツ
の3本立てで解説していきます。
是非ご覧ください!
銀行への就職に有利な学部はあるのか?
まずは結論から。
銀行の採用担当者は
『〇〇学部だから、優先して採用しよう』とは考えません。
では、なぜ銀行には経済系の学部出身者が多いのでしょうか?
その理由は、
銀行の採用試験を受けるほとんどの学生が、経済系の学部の人だから。
![おやつイモ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/02/6711c534494164dd8393ddd1ef8021a3-e1677159121978.png)
逆に「経済系の学部以外の人は、銀行にとって珍しい貴重な存在」ということ!
この点を理解しておくことは、非常に重要です。
下の図をご覧ください。
![](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2024/02/11b593cd1c28112afe501e3a9624dbf8-1024x512.png)
図のとおり
試験官にとって、経済系学部の学生は珍しいものではありません。
採用試験において、同じような志望動機や自己アピールをしていては、採用試験を勝ち抜くことは困難です。
一方、経済系ではない学部の学生。
試験官はまず、こう思います。
『なぜ、うちの銀行を受けたんだろう?』
銀行の採用試験を受けるだけで、興味を持たれる点は非常に有利です。
また、採用面接で話す「学生時代に学んだこと」「卒論テーマ」などは必然的に、経済系学部の学生とは一味ちがったもの。
多様性を重んじるようになった銀行にとって、経済系以外の学生は魅力的にうつります。
となると、気になるのは
- 経済系以外の学部とは、具体的にどの学部?
- 経済系の学部の人は、銀行に入るにはどうしたらいい?
続けて、解説していきます!
銀行にいる経済系以外の学部の人
前述のとおり、経済系以外の学生にも銀行への就職の可能性は大いにあります。
この章では『銀行には、どのような学部を出た人がいるのか?』を具体的に紹介します。
紹介の切り口は
- 経済系ではない学部を卒業した銀行役員
- 私の勤める銀行の経済系ではない学部出身者
の2つです。
理学部
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理学部と聞くと、銀行や金融とは遠い感じがしますよね。
しかし、銀行には『理学部の数学科』を卒業した人が結構います。
私が勤める銀行では、特に本部に数学科出身の人が多く
- 主計部門で、銀行全体の計数管理
- リスク管理部門で、信用リスク業務
- IT部門で、DXに携わる業務
などに従事しています。
また、著名な銀行家では
- 三菱UFJFGの亀澤社長(2020年~)
東京大学理学部数学科 卒業 - 横浜銀行の片岡頭取(2022年~)
東京理科大学理学部応用数学科 卒業 - 三井住友銀行の内川専務執行役員(2022年~)
東京大学理学部 卒業 - りそなHDの石田副社長(2023年~)
千葉大学理学部 卒業
ほか多数の理学部を卒業した銀行役員がいます。
工学部
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理学部と同じくらいいるのが工学部出身の銀行員。
私の身の回りにも工学部卒業の人はもちろん、芝浦工業大学や北九州工業大学など工業系大学を卒業した人もいます。
特に、昨今のデジタルトランスフォーメーションを銀行内で進めるために、工学部出身者の理系脳や研究肌、論理的思考は欠かせない要素になってきています。
ただし、
1つだけ注意点を挙げると、金融工学を学んだ人は少ないと感じます。
そもそも金融工学を学べる学部が少ないことに加えて、この学部の学生は金融業界だと、銀行ではなく保険会社や証券会社に就職することが多いと考えられます。
工学部のご出身の銀行家は以下のとおり。
- 三井住友FGの中島社長(2023年~)
東京大学工学部 卒業 - 三菱UFJ銀行の米花専務執行役員(2022年~)
東京大学工学部 卒業 - みずほ銀行の上ノ山取締役(2020年~)
東京大学工学部 卒業 - 関西みらい銀行の西山社長(2023年~)
京都大学工学部 卒業
メガバンクに、工学部系の役員が多い印象です!
農学部
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まず、農学部出身の著名銀行家・銀行役員は見つけきれませんでした。
しかし!
農業といえば、JAです。
JAでは
- JA全農の八木岡副会長
東京農業大学 卒業 - JA全中の金原副会長
佐賀県農業大学校 卒業 - JA全中の比嘉専務理事
京都大学農学部 卒業 - JA全中の金井常務理事
明治大学農学部 卒業
などたくさんの農学部ご出身の経営層の方々がいます。
また私の勤める銀行にも、本部・支店ともに農学部出身の銀行員が複数います。
その中の農学部出身の30代の役職者に話を聞いてみました。
![おやつイモ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/02/6711c534494164dd8393ddd1ef8021a3-e1677159121978.png)
農学部で、どんなことを学んでいたの?
![](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/12/11351_color-e1701959030771.png)
農作物の流通政策を専攻してました。
![おやつイモ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/02/6711c534494164dd8393ddd1ef8021a3-e1677159121978.png)
面白そうな学問だね。
でも、農作物も流通も、銀行には直接的には関係なさそう…。
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そのとおりです。
元々は地元で公務員になろうとしてました。
![おやつイモ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/02/6711c534494164dd8393ddd1ef8021a3-e1677159121978.png)
なるほど。
市役所の農林水産部で働くイメージだね。
でも、それがなぜ銀行に?
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公務員の採用試験が不合格で…
そこで、改めて地元就職を考えた時、地域貢献度が高い銀行にたどり着きました。
![おやつイモ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/02/6711c534494164dd8393ddd1ef8021a3-e1677159121978.png)
確かに、鹿児島銀行のように農業関連の融資に力を入れる銀行もあるもんね!
ということで
農学部出身の方で、農業関連の融資などで活躍されている人もいます!
経済系の学生が銀行に入るためには?
銀行の採用試験を受ける経済系学部の学生は、たくさんいます。
経済系学部の学生は、経済や金融に関する知識やスキルを持っているという点で有利。しかしながら、それだけでは不十分。
繰り返しますが、その理由は
同じような知識・スキルを持った経済系学部の受験者がたくさんいるから。
したがって、銀行の採用を勝ち取るには他の経済系学部の受験者との差別化をはかることが重要になります。
ここからは、いかにして差別化するのか?
3つの差別化ポイントを紹介していきます。
並々ならぬモチベーション
![気合いのポーズ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/12/9b78513fda5d60fc67963c7ea9a35028-e1701611728429.jpg)
少し辛辣な言い回しになりますが、
多くの経済系の学部生は、何となく銀行を受験しています。もっと言えば、数多くの銀行の中でも『その銀行に入りたい理由』を明確かつ独自性をもって語れる学生は、かなり少ないです。
差別化ポイントはココにあります。
すなわち
その銀行で働く『並々ならぬモチベーション』での差別化です。
差別化するには以下のステップで準備を行い、採用面接でアピールできるようにしておきましょう。
- 採用試験を受ける銀行への理解
銀行には日本銀行や都市銀行、地方銀行、信用金庫などさまざまな種類があり、それぞれに特徴や求める人材が異なります。まずは、自分が受ける銀行が「どのような銀行なのか」「強みは何か?「これから何に注力するのか?」を、中期経営計画を見る等して、理解を深めることが大切です。 - 自分のやりたいことの定義
社会人になった自分が「何をしたいのか?」「どうなりたいのか?」といったやりたいことを抽象的に定義することが重要です。このステップでは、『お金に困ってる人を助けたい』等のように具体的な定義ではなく、『みんなが豊かに暮らせる社会にしたい』のように抽象的に定義しましょう。 - 上記2つの重なる部分を発掘
自分のモチベーションを高められるやりたいことと、銀行の強みや注力する分野の重なる部分。その部分に特化して、採用面接ではアツく、激烈にアツく語りましょう!
その内容が、高度な内容じゃなくてもOK。「自分がやりたいことについて、熱を持って話せる」。それだけで、他の学生とは差別化できます。
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二度見される資格・スキル
![資格・スキル](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2023/09/891b184d070d26448f0f16f41b6a4c42-e1699623946706.jpg)
同じ能力の学生がいたとき、採用担当者は何で採用を判断するかというと資格やスキルです。
資格やスキルがあるということは
- 何らかの専門知識を持っている
- 一定以上の知力や学力がある
- 資格取得に向けた努力ができる
- 自発的に物事を考えられる
という風に見られ、差別化に繋がります。
となると
次に気になるのは、どのような資格を取るべきか?
金融・経済・法律などの一般レベルの専門知識では差別化はできません。
試験官が保有資格欄を見て、二度見するような資格が望ましいです。
具体的には、
- 金融系の資格の中でも王道をいく高度な資格
- 金融とは関係性は薄いけど、希少性が高い資格
の2つの方向性があります。
詳しくはコチラの記事『銀行員になるため必要な資格とは?』をご覧ください。
銀行がめっちゃ好き!
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意外かもしれませんが
銀行員は、銀行のことを知りません。正確に言うと、他行や海外の銀行のことを知らないのです。
もちろん、経営企画やアライアンス系の部門などの銀行員は、他行動向に詳しいですが、少なくとも人事セクションの銀行員はあまり情報を持っていません。
もし、採用試験を受けにきた学生が、あらゆる銀行の商品・サービスや戦略や経営計画などに詳しかったら、一目置かれるでしょう。
そこで、差別化ポイントとなるのが、銀行がめっちゃ好き!銀行マニアという切り口です。
具体的な行動指針を挙げると
- 各銀行の中期経営計画を読み込み、各行の戦略の違いを語れるようになる。
- 海外の銀行の最先端の取組みを調査する。
- 銀行の新しいサービスを利用して、良い点も悪い点も語れるようになる。
- 実際に銀行に訪問して、銀行員の生の声を聞く。
などの活動を行うこと。
そして、それらの内容を採用面接などで熱く語りましょう!
そうすることで
試験官から「この学生は、相当銀行が好きで、勤めたいんだな」と思われ、他の学生とは一線を画す存在になることができます。
まとめ
![まとめ](https://oyatsuimoblog.com/wp-content/uploads/2022/11/6bdfcd34ff8abae3fe1e30913303e7f6.png)
銀行の採用活動では
優先して採用される学部はありません。
銀行に、経済系の学部出身者が多いのは、たくさんの経済系の学生が銀行の採用試験を受けるから。
銀行には
経済系の学生と差別化して採用を勝ち取った
- 理学部数学科を卒業した人
- 工学部卒のITに詳しい人
- 農学部出身のアグリファイナンスのプロ
などが活躍しています。
もちろん
経済系の学生も3つの差別化戦略
- 並々ならぬモチベーション戦略
- 二度見される資格・スキル戦略
- 銀行がめっちゃ好き戦略
を駆使して、他の学生との差別化をはかることで、銀行の採用を勝ち取ることができるでしょう!
そう・・・
銀行に入れるかどうかは・・・
あなた次第です!!