銀行において人事部がエリートと言われる訳|現役銀行員が解説します!

銀行の人事の世界
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銀行において、人事部は超エリート。銀行の中で特別な地位を築いています。

人事部の権力はどのくらい大きいのか?

なぜ強大な権力を持てるのか?

この記事では、現役銀行員の視点から

  • 銀行における人事部の実態
  • インタビューで聞いた人事部員の本音

などを紹介します。

銀行の生命線であるヒトを管轄する人事部。その実態を明らかにします!

銀行における人事部とは?

まずは銀行人事部の基本2点について解説します。

  1. 人事部の名称
  2. 人事部の仕事内容

人事部の名称と仕事内容を知るだけでも人事部がエリートと呼ばれる理由が見えてきますよ。

人事部の名称

昨今の人事界隈では、

  • ダイバーシティへの対応など新たな仕事がある
  • 人材育成が戦略そのものとみなされつつある(人的資本経営)
  • 人材を『人財』と表現するのがトレンドに

といった事情から、人事部という名称は減っており、様々なネーミングがなされています。以下は一部の事例です。

  • 横浜銀行 :人財部
  • 広島銀行 :人事総務部
  • 千葉銀行 :人材育成部
  • りそなHD:人財サービス部
  • 北海道銀行:人事戦略部
  • 名古屋銀行:人材開発部
  • 島根銀行 :人事財務グループ

人事部の仕事内容

お次は人事部の仕事をご紹介。

人事部は、採用活動や人事異動以外にも幅広い業務を担っています。

人事企画

どのような部門にもある企画担当が、人事部にもあります。

人事企画業務とは、

  • 人事制度の策定
  • 就業規則など規定策定
  • 賃金の検討
  • 労働組合との折衝

などの人事に関する幅広い業務です。

特に就業規則・賃金規程など規程策定は多岐にわたっており、非常に大変な仕事です。

人員計画

各支店・本部への人員配置を計画することも人事部の重要な仕事です。

銀行の人員配置は、支店ごと・職位ごとに人数が決められています。

人員配置の例
  • 地方の小さな支店
    支店長1人、課長1人、ヒラ行員3人
  • 都市部の中核支店
    支店長1人、副支店長1人、課長5人、課長代理8人、ヒラ行員15人

したがって、人事部には人事異動と昇格の決定権があります。また、昇格を決定するための人事評価の最終決定も担います。

さらには、人材採用の仕事やベテラン行員の出向・再就職を支援する仕事もあります。

人材育成

人事部の重要な仕事の一つが人材育成です。

  • 年代ごとの研修
  • 外部講師によるセミナー
  • 学習コンテンツ配信
  • 地銀協などへの派遣研修
  • 外部機関への出向

など様々な手法を使ってスキルアップを支援しています。

労働環境整備

最後に紹介するのは、労働環境の整備です。

労働環境の整備とは、ハラスメント対策や健康相談など言葉どおりの職場環境を整えることに加えて、職場以外のプライベート面のサポートもあります。

特に今、力を入れているのが福利厚生の充実

  • 映画や飲食店などの割引
  • 独身寮・社宅の完備
  • 家賃や子ども育英などの手当
  • 人間ドック・健康診断の充実

など様々な生活支援があります。

銀行で人事部がエリートと言われる理由

原因

ここまで紹介した銀行の人事部の仕事内容を踏まえると、銀行で人事部がエリートと言われる理由が少しずつ見えてきます。

具体的な4つの理由を解説していきます。

  • 銀行の生命線であるヒトを管理してる
  • 従業員の生殺与奪を握っている
  • 重要情報の宝庫
  • 脈々と受け継ぐ歴史ある部署

銀行の生命線であるヒトを管理

企業経営をするうえで役立つ要素や能力を経営資源と呼びます。なかでもヒト、モノ、カネ、情報は「4大経営資源」といわれています。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構

企業の4大経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報のうち、銀行では特にヒト(従業員)が重視されます。

銀行が売るのはモノではなく、従業員が提供する金融サービスです。また、銀行にあるカネと情報を使うのも従業員。

そんな銀行事業の成否を分ける従業員を管理する人事部が重要な部署と見なされるのは当然のことです。

従業員の生殺与奪を握っている

生殺与奪の権利とは、他人に対して「生かす」か「殺す」かを選択できる権利のこと。

Wikipedia

銀行の品質そのものと言ってもいい従業員を管理し、働く活力の原動力の一つが人事権です。

この人事権、すなわち従業員の生殺与奪権を握っているのが人事部です。

繰り返しになりますが人事部は

  • 人事評価の最終決定
  • 昇進・昇格の決定
  • 人事異動
  • 出向・再就職の支援

といった業務を担います。

従業員の評価・昇進昇格・人事異動の権限をもつ人事部が最強部署と呼ばれるのも納得です。

重要情報の宝庫

先に紹介した人事評価や人事異動に関する情報を持っていること自体も、人事部をエリートたらしめる理由です。

また、人事部の仕事内容『労働環境整備』で紹介したハラスメント事案、具体的にはパワハラや不倫、セクハラ事案などプライベートに関する情報もあります。

このような情報の宝庫・人事部には、機密情報を漏らさない倫理観を持ちつつ、情報を活用して銀行を正しい方向へ導けるエリートが集まります。

脈々と受け継ぐ歴史ある部署

銀行では、新部署の設置や部署の統合など組織改編が頻繁に行われます。

しかし人事部が組織改編の波に巻き込まれることは少なく、他の部署とは一線を画しているのが人事部です。

また、長い銀行の歴史の中で人事部出身の経営陣を脈々と輩出しており、人事部経験者は役員になりやすいという暗黙知を生み出しています。

人事部担当者に聞いた!人事部の苦労話

人事部はエリート部署ゆえの辛さもあります。

最後に、私が属する銀行の現役人事部員に聞いた人事部の仕事の苦労話を紹介します!

行員からの苦情

人事部の担当者に苦労話を聞いて、真っ先に応えたのが行員からの苦情対応でした。

苦情内容は、

  • 人事評価への不満
  • 人事異動への不満
  • 行員配置への苦情
  • ハラスメント関連

などが挙げられます。

特に多いのが「なぜ自分の評価が低いのか?」「なぜ昇進しないのか?」など人事評価への不満。

頻度は少ないものの大変なのは「なぜ私の支店にもっと人を増やさないのか?」という支店長からの行員配置への苦情。

人事部で働くためには、苦情をスムーズに裁くスキルが必要です。

情報の取り扱い

人事部がエリートたる理由の一つ、人事部は情報の宝庫ということ自体がストレスとのこと。

その理由は2つ。

  1. 不祥事などの情報が多く、気が重くなる
  2. 人事情報など部外秘の情報を口外してはいけないストレス

人事部以外からすると「人事部は情報がたくさんあって面白そう」というイメージを持ちますが、現実は情報が多すぎるストレスに悩まされるようです。

難易度が高い新たな取組み

人事部は、採用活動や人事評価・異動など重要だけどルーチン的な業務・・・かと思いきや、新たな施策や難易度が高い取組みを求められます。

最近の事例を2つ紹介します。

  • 人的資本開示の義務化
    昨今、企業を評価する際に人的資本の考えが重視されるようになりました。それに伴って上場企業に対し、有価証券報告書にて19項目の人事に関する取組みの開示が義務付けられました。これらの開示を担うのは当然、人事部です。
  • ダイバーシティ経営
    企業における多様性への取組み。これは、性別・人種・心身のハンディキャップなど様々な違いを持つ従業員が一緒に働ける職場作りを指します。その中には、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方の提供や女性の管理職比率の向上など人員計画への配慮も含まれており、非常に幅広い対応が人事部には求められています。

まとめ

まとめ

銀行において、人事部がエリートと呼ばれる理由は以下の4つです。

  1. 銀行の生命線であるヒトを管理していること
  2. 従業員の昇進昇格・異動の権限を握っていること
  3. 重要情報がたくさんあること
  4. 役員を多く輩出する歴史ある部署であること

人事部に配属になると、人事企画・人員計画・人材育成・労働環境整備といった重要な仕事を経験でき、銀行内でエリートとしてのキャリアを歩める可能性が高まります!

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