地方銀行で働きはじめて10数年・・・・
地方銀行の酸いも甘いも知る現役銀行員が語る
地銀からの転職を勧める
たった1つの大きな理由
- 『こんな組織、もうたくさんだ!』
- 『このクソ上司に耐えられない!』
- 『なんで俺がこんな低評価なんだ!』
- 『銀行では成長できない!』
- 『真に人の役に立つ仕事をしたい!』
という想いを強くする一方で
- 『自分が少し我慢すればいい…』
- 『転職がうまくいくか不安…』
- 『地方には転職先がない…』
- 『銀行って給料いいなぁ…』
- 『家族も持ち家もあるし…』
という現実や不安で、一歩をふみ出せないあなた。
この記事を読み
自分が歩みたい人生を
今、働いてる銀行で本当に実現できるのか?
を考えるヒントにしてください!
著者の自己紹介
おやつイモと申します!
まずは自己紹介から。
地銀からの転職を勧める理由
そんな私が、地方銀行からの転職をオススメする理由。
それは
地銀は、現状維持バイアスに縛られる組織だから
です。
他の理由をイメージした人も、ぜひ続きをご覧ください。
この現状維持バイアスは、全ての理由に通じるものです!
現状維持バイアスとは
変化を避けて現状維持を求める、
人材アセスメントラボ
現在の状況よりも好転するとわかっていても行動できない心理傾向
分かりやすく表現すると、
- 現状維持=今のままでいること
- バイアス=偏りやこだわり
この2つを合わせて、
- 現状維持バイアス=
今のままでいることにこだわる
ということを意味します。
確かに、そもそも銀行は
- 銀行法により、展開できる事業が規制
- 金融庁から、常に監視されている
など新しい取組みや目立つ動きを取りにくく、現状維持バイアスがかかりやすい業界。
iモード開発で知られる実業家の夏野剛さんが
AbemaTVの番組内で、銀行を評したコメントがこちら。
- 銀行ではクリエイティブなことは一切要求されません!
- クリエイティブなこととは、ルールに規定されてないことを一歩進んでやること。
- そんなことをしたら、金融庁から言われなくても、銀行内で刺されます。
- 特別面白いことをやってるヤツや新しい発想をしてるヤツは、必ず潰されます。
業界全体には変化の兆し
とはいえ、
銀行の収益低下が止まらない中、いよいよ金融庁が動き始めました。
2021年11月の銀行法改正により
- 広告業や人材派遣業など新事業の解禁
- 一般事業会社への出資規制の緩和
など、銀行業界全体では新たなチャレンジに取り組める環境が整備されつつあります。
大胆な地銀では、新事業が立ち上がっています!
■八十二銀行の電力事業■
■鹿児島銀行の農業参入■
地銀の現実は?
では、多くの地銀の現実はどうか?
少なくとも私が属する銀行では、
新しい取組みを起案しても、現状維持バイアスに取り憑かれたヤツが、論理性や明確な理由もなく却下する。
これが、地銀のリアルです・・・!
しょうもない例を挙げると、以下のような感じ。
<例1>会話が成り立たない
オフィスカジュアルやりましょう。
いくら儲かる?
儲からんなら不要やで。
・・・頭おかしいんか?
<例2>現状維持バイアスの権化
社内副業しましょう。
今やらないといけないの?
いつかやろう。
めんどくせーだけだろ!
<例3>もはや考える気なし!
では、副業解禁は・・・
何となくやめとこう。
ダメだコリャ・・・
現状維持バイアスを促進する新施策
そして、さらに追い打ちをかけるのが
『役職定年延長の拡大』。
これぞ、最大の悪手!!
これまでは、本当に立派で代えがきかない方々だけに限定していた役職定年の延長。
しかし、この役職定年延長の対象者が拡大することにより
銀行にしがみつき、ろくに働きもせず、人の足を引っ張り、変化を嫌い、古い考えでしか思考できないヤツが、銀行に残り続けることが合法化してしまいます。
イェール大学助教の成田悠輔さんは、
NewsPicksの番組内で、こうおっしゃっていました。
- ご高齢でコミュニケーションが取れないのは人間として当り前。
- 問題なのは、そういう人たちが普通に偉いポジションに居続けていること。
- そして、僕たちもそれを「しょうがないこと」「そういう国なんだ」と認めちゃってる。
- ヤバい老人たちに圧をかけていく、心の底から軽蔑してる感じとかを出していくってことが大事。
現状維持バイアスがかかる理由
ここで気になるのは、
なぜ銀行は、現状維持バイアスに取り憑かれてるのか?
確認してみましょう。
危機感が足りない!
みなさん、マンガ「幽遊白書」をご存じでしょうか?
幽遊白書で、当時の私たちを恐怖のどん底に落とした元人間の妖怪・戸愚呂(弟)。
そんな戸愚呂が、主人公である浦飯幽助に吐き捨てたこのセリフ。
元人間のオレの経験からみて、今のおまえに足りないものがある
・・・危機感だ
そして、
さらに畳みかけた言葉
おまえ、もしかしてまだ自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?
相次ぐ異業種からの参入…
終焉を迎える預貸ビジネス…
厳しさを増す環境の中、それでも新たな挑戦を避ける地銀。
もし
戸愚呂(弟)が、私たち銀行員の前に現れたら、こう言うでしょう。
おまえら
もしかしてまだ、今までのやり方で銀行が収益を上げ続けられるとでも思ってるんじゃないかね?
長期的な思考ができない!
銀行員はトップから末端に至るまで、全員が漏れなくサラリーマン。
したがって、どうしても
『半期という短い期間で評価される』という習性が骨身に染みついています。
自分もそうですが、
短期で成果が得られることばかりやります…
また、経営層に近づくほど
- 短期的な収益を求める株主対応
- ストックオプション型の報酬
など短期的な成果も求められます。
以上のことから、
成果がすぐ出ない長期的な取組みを避け、現状を維持しようとする考えに染まってしまうのです。
企業変革の経験がない!
これは、シンプルな理由で
今まで規制に守られてきた銀行は、企業変革の経験がありません。
なので、未経験である変化することへの恐怖から、新規性の高い事案は真っ向から否定し、現状を維持しようとします。
もしかしたら、
何度も経済危機を乗り越えたわ!
と言い張るヤツがいるかもしれません。
しかし、今後の金融業界の地殻変動は、過去の経済危機を超えるインパクトをもたらすことが予想されます。
そのイメージすら沸いてない時点で、変革経験が不足していると言わざるを得ません。
橘玲さんの書籍に
『バカは自分がバカであることに気づいていない』という言葉があります…。
知識・知見がない!
銀行員は、金融・経済や企業財務などにめちゃくちゃ詳しい。
一方で、その他の知識・知見は意外とありません。
具体的には
- デジタル分野
- 消費者心理や行動経済学
- マーケティング理論
- オープンイノベーションの考え方
などの知識・知見が、圧倒的に不足していると感じられます。
したがって、新たな取組みや状況を正しく理解できず、とりあえず
よく分からん!
現状維持で!!
という判断がなされます。
現状維持バイアスの本当の怖さ
これまで説明してきた現状維持バイアス。
これの本当の怖さは
あらゆる課題を
おざなりにすること
であると私は考えています。
例えば、皆さんが冒頭で紹介した理由で、転職を考えていたとします。
- 『こんな組織、もうたくさんだ!』
- 『このクソ上司に耐えられない!』
- 『なんで俺がこんな低評価なんだ!』
- 『銀行では成長できない!』
- 『真に人の役に立つ仕事をしたい!』
これらを何とかして変えようとしても、根っこのところで現状維持バイアスが邪魔して、問題の解決・改善には繋がりにくいのです。
銀行では・・・
低評価は覆せない。
成長に繋がる挑戦もない。
人に役立つ仕事の前に「貸金伸ばせ!」の世界です。
まとめ
銀行で働くやりがいは、たくさんあります。
しかし、やりがいの数倍のクソな部分があることも事実。
そして、クソな部分をおざなりにし
今に固執し、変化を避ける現状維持バイアスの存在。
もし、あなたが
- チャレンジングな人生を送りたい
- 自分の力を思う存分、試したい
あるいは
- 銀行に大変革が起きて欲しい
- 銀行が変わらない限り、働き続けるのは無理
と思っているのであれば、早めに地銀を卒業することをオススメします!