あなたが結婚した場合、銀行で行うべきことは銀行口座の名義を変更することです。
この記事では、
の3点を現役銀行員が分かりやすく紹介します。
この記事を読んで、銀行口座の名義変更をもれなく行うことで、給与の振込み等がストップしないようにしましょう!

【大前提】結婚の3つのパターン

価値観が多様化する昨今、結婚にもいくつかのパターンがあります。
この記事では、代表的な3つのパターンごとに銀行で必要な手続きを解説します。
ということで、まずは大前提となる結婚の3つのパターンを確認しましょう。

- 名字変更パターン
入籍して名字を変更する最も一般的なパターン。銀行口座の名義変更等の手続きが必要。 - 夫婦別姓パターン
入籍するが、名字は変えない。基本的には名義変更は必要ですが、特定のケースで名義変更しない方がよいことも。詳しくは「名義変更しないとどうなる?」で説明します。 - 事実婚パターン
入籍しない。銀行での手続きは不要。彼氏彼女の関係と変わらない。
次は、銀行以外に名義変更すべきものを一挙紹介していきます。
銀行以外に名義変更が必要なもの
結婚して名字が変わる場合、他にも名義変更を行うべきものがあります。一覧で紹介しますので、是非チェックしてみましょう!
まずは、公的な届出から。これらは優先的に名義変更しましょう。
次は、その他の契約の名義変更です。後回しにしても構いませんが、確実に変更しましょう。
それでは話を戻して、結婚したときに銀行で行うべき手続きの具体的な内容を紹介していきます。
結婚が決まったら銀行口座でやるべきこと

結婚により名字が変わったとき、必ず必要な手続きは2つです。
それは、名義変更と改印手続き。この2点を行えば、通帳・キャッシュカードなど預金に関わる名義が一括で変更されます。
ただし、ローンなどの契約がある場合、他に手続きが必要です。
必要となるそれぞれの手続き内容と手続きの流れを解説していきます。
必須の手続き
まずは、名字が変わる人が必ず行う必要がある名義変更と改印手続きについて解説します。
下の図をご覧ください。

結婚により名字がAさんからBさんに変わったケース。
- 名義変更手続きを行うことで、銀行に登録されている名字が変わります。
- 以降、新たに発行される通帳やキャッシュカードは新しい名字で発行されます。
- 一方、手元にある通帳・カードの氏名も変えるには、別の手続きが必要。
- <届出印>
銀行への届出印の変更手続き。先ほど紹介したとおり変更必須です。 - <キャッシュカード>
キャッシュカードに刻印された氏名を変えるときは再発行手続き。名字が変わったらキャッシュカード再発行を必須とする銀行もあります。 - <通帳・証書>
通帳と証書は基本、次の繰越し・満期を待ちます。お手元の通帳と証書の氏名を手書きで修正する銀行もあります。
- <届出印>
以上が、名字が変わるとき確実に行うべき手続きです。
その他の手続きが必要なケース
続いて、その他にも手続きが必要なケース。
ここで紹介するケースについては、具体的な手続き内容が銀行によって大きく異なります。
したがって、ここではこの取引があるとプラスアルファで手続きが発生するかもしれないことだけ認識しておきましょう。

必要書類や手続き内容は、取引銀行に直接問合せましょう。
では早速、別の手続きを要する可能性が高い取引を列挙します。
- 住宅ローンなど有担保ローン
- クレジットカード一体型キャッシュカード
- 投資信託
- 非課税貯蓄(マル優・マル特)
- 当座預金
- 貸金庫
- インターネットバンキング
住宅ローンなど有担保ローンについては、確実に別の手続きが必要です。
銀行によっては、戸籍謄本や印鑑証明書など様々な証明書を求めることも。
早めに銀行へ問合せることをオススメします!
名義変更しないとどうなる?

名字が変わったのに名義変更を行わないと、以下4つの問題が発生します。
- 給与振込みがエラーになる
- 口座引き落としがエラーになる
- 銀行からの郵送物が不着
- 銀行手続きが複雑化
一つずつ確認してみましょう。

夫婦別姓の場合、より問題が複雑になることも。
レッツチェック!!
給与振込みがエラーになる

銀行で名義変更手続きをしないと、給与振込みエラーにより給料が入金されなくなる可能性があります。
上図はエラーになる流れを図示したもの。詳しく解説すると以下のとおりです。
- 勤務先に、結婚と氏名変更を伝えた。
- しかし、銀行で名義変更していない。
- 勤務先は、銀行に「新しい名字」で給与振込みを依頼。一方、銀行は前の氏名のまま。よって、氏名不一致で給与振込みがエラーになる。

給料が入らないのは非常にイタい!
夫婦別姓の人は要注意!

夫婦別姓を選んだ人は、勤務先と銀行に申告する氏名を一致させましょう!
口座引き落としがエラーになる

口座引き落としがエラーとなり、各種料金支払いが滞納状態になる可能性があります。
原因は、給振エラーと全く同じ。料金を引き落とす会社(上図ではクレジット会社)と銀行の氏名が不一致であることから、口座引き落としがエラーになります。

お金を払わなくて済むなら、ラッキーじゃね?
と考えるのは、当然NG!
支払うべき料金が滞納状態になるので、個人信用情報機関に登録(ブラックリスト)されてしまいます。

銀行からの郵送物が不着
銀行で名義変更していないと、銀行は旧姓のまま郵便物を作成・発送します。
そうすると、
といった事態になりかねません。
また、結婚と同時に引っ越す人も多いでしょう。
銀行には、名義変更とともに住所変更も漏れなく行いましょう!

銀行手続きが複雑化

銀行で本人確認を伴う取引を行う際、名義変更を行っていないと取引できません。
理由は、氏名の不一致なので本人確認が完了しないから。(銀行側は旧姓、本人確認資料は新しい名字)
もちろん、その場で名義変更手続きを行えばいいだけです。
しかし、例えば…
といった状況になってしまいます。
名義変更と改印手続きの具体的な方法

名義変更しないとヤバいじゃん!
と分かって頂けたなら、次は具体的な手続き方法が気になりますよね。
続いて名義変更と改印手続き方法について詳しく解説します。
必要な書類は?

名義変更・改印手続きを行うために必要なものは以下4つです。必要な理由とあわせてご覧ください。
- 本人確認資料(運転免許証など)
あなた本人による手続きであることを確認するために必須のもの。 - 新旧の氏名が分かる書類
改姓の事実を確認するもの。具体的には、運転免許証や戸籍謄本が該当します。 - 今つかっている印鑑と新しい印鑑
改印手続きのため必要です。 - 通帳やキャッシュカード
名義を書き換えたり、処理を行います。

1.と2.は運転免許証でOK!
手続きに必要なもののうち、2.と3.は事前の準備・段取りが必要です。
次は、銀行で手続きを行うまでの段取りを確認しましょう。
手続きまでの段取り

銀行で名義変更を行う前に、いくつかの準備が必要です。
銀行での手続きまでの段取りを確認しましょう。
- 市区町村の役所にて…
婚姻届(こんいんとどけ)を提出。
提出時には、運転免許証など本人確認資料が必要です。 - 再度、市区町村の役所へ…
婚姻届け提出から1週間後ほどで、新しい名字の住民票や戸籍謄本ができます。ということで、住民票を入手しましょう。 - 警察署へ…
居住地を管轄する警察署で、運転免許証の名義変更をしましょう。この際、新しい名字の住民票が必要です。 - 新しい印鑑を入手
町の印鑑屋さんや印鑑のネット販売などで、新しい印鑑を入手しましょう。 - 銀行にて…
「名義変更後の運転免許証」と「新しい印鑑」を持って、銀行へGO!
どこで手続きする?

名義変更等の手続きはどこの支店でも可能ですが、そこそこ時間がかかります。
あまり混んでない時間を狙って、支店に行きましょう。

まとめ

結婚により名字が変わる人は必ず
- 名義変更
- 改印手続き
を行う必要があります!
特に名義変更しないと、給料が入金されなかったり、口座引き落としがエラーになったり・・・
結婚に伴い、色々やらないといけないです。
でも、これもかけがえのない経験。
幸せの第一歩をふみ出せるよう、楽しみながらこなしていきましょう!