銀行からの電話はセールスだけではありません!
銀行が電話した目的によっては、きちんと聞いておかないと損することもあります。
この記事は、現役銀行員へのヒアリングを通じて銀行が電話する目的・用件と用件ごとの対応方法をまとめました。
銀行からの電話に不安を感じている人は本記事を読み、銀行の用件を予測するとともに適切な対処を行いましょう!
本当に銀行からの電話なのか?

この記事を見ている皆さんは「銀行から電話があった」と思ってますよね。
しかし、昨今の詐欺の手口は、非常に巧妙化しています。
本当に銀行からの電話なのかは常に気にしましょう。
銀行の電話番号は、銀行ホームページに記載されています。必ず調べましょう!

銀行員と名乗るからといって、100%信頼してはいけません!

続いて「自分に銀行から電話があるはずがない」と思ってる人へ
をお伝えします。
銀行から電話がかかってくる時間帯


銀行は9時から15時までしかやってない。
なので、15時以降に銀行から電話があるはずない。
この考えは誤りです。
銀行からの電話は、9時から19時くらいまでかかってきます。
時間帯別の電話の用件・頻度は以下のとおりです。
どんな人に電話するのか?
銀行は、お金持ちだけでなく、これから資産を増やしていく資産形成層にも積極的に電話します。
また、お金に困っている人にはローンをセールスするための電話を。
さらには、セールスの電話ではなく、何らかの重要な手続きの連絡もあります。
つまり、どんな人にでも銀行から電話がかかってくる可能性はあります。

具体的なケースは、のちほど!

銀行への折り返し電話について

銀行に折り返し電話をするのって緊張しますよね。
ここからは、銀行への折り返し電話のノウハウを紹介します。

銀行員は普通の会社員です。気楽に電話しましょう!
銀行から電話あったら、折り返しすべき?
結論からいうと、銀行からの電話には折り返しすべきです。
電話の用件が
- あなたの口座が不正利用された
- 引き落としがエラーになった
- 以前行った手続きに不備があった
などを伝えるものだった場合、折り返しせずに放っておくと何らかの損害を被る可能性が出てきます。
特に、1日に2度以上の電話がある場合は急ぎの重要用件があるときです。必ず折り返し電話することをオススメします!
折り返しは誰がすべきか?
あなた本人が折り返し電話する必要があります。
銀行は、個人情報を絶対に守ります。配偶者や親などが代わりに電話しても、銀行は本人にしか用件を話しません。
折り返し電話では、どう切りだせばいい?
銀行に電話するのは憂鬱かもしれませんが、銀行員だって普通の人間です。
以下の会話例を参考に折り返し電話しましょう。

もしもし、〇〇と言います。

お電話ありがとうございます。
△△銀行のおやつイモです。

先ほど、お電話頂いたんですが…

折り返しありがとうございます。
お電話した担当者の名前はお分かりでしょうか?

名前が分からないんです…
かかってたのは10時すぎです。

そのお時間ですと、□□がお電話したようです。
お電話をお代わりしますので、少々お待ちくださいませ!

はい。
銀行から電話がかかってくる理由と対応方法

銀行からの電話は、以下の4つに分類されます。
それぞれの内容と対応方法をチェックしていきましょう。

各分類のカッコ内の★は頻度を表します。
★☆☆☆☆:頻度が少ない
★★★★★:頻度が多い
事務手続き
- 近頃、口座振替や口座開設などの手続きをした人
- 預金の残高がゼロに近い人
- 口座振替・ローン返済など引落しがたくさんある人
私が勤める銀行でヒアリングした結果、最も多いのは事務手続きに関する電話でした。(※2025年1月に改めて確認したところ、変わらず事務手続きに関する電話が最多)
具体的には2つの用件があります。詳しく解説していきます。
銀行の事務ミスに関する連絡(頻度:★★★★★)
最も多いのが、銀行の事務ミスをお知らせする電話。
具体的には、押印もれ・伝票の記入ミス・頂く資料の不足など。
事務ミスの多くは、銀行が閉まった15時以降に発覚します。
したがって、15時~16時過ぎの電話は、事務ミス連絡の可能性が高いです。

銀行のミスでも「支店に来て欲しい」と言われます。
無理なら無理と伝えて、問題ありません!
口座引落しエラーの連絡(頻度:★★★☆☆)
次に多いのが、電気料金などの口座引落しができなかったことを知らせる電話。
電気料金以外には以下のような引落しがあります。
そして、口座引落しエラーの原因ナンバーワンは、引落し口座の残高不足。
口座引落しエラーとは、料金未払いということ。そのまま放置すると、サービスが停止される可能性があり、さらに最悪のケースでは信用情報機関に登録される恐れも。
信用情報機関については「信用情報機関の理解を深める4つのポイント」をご覧ください。
銀行の話をしっかりお聞きになり、確実に対処しましょう。

よく残高不足になる人は、貸越サービスを利用しましょう。
詳しくは下の記事をチェック!

セールス(資産運用・ローン)
資産運用やローンなど金融商品をセールスする電話です。
他サイトでは『セールス電話は9~15時』や『セールス電話は金持ちのみ』と紹介されますが、両方とも間違いです。
- 銀行にはコールセンターがあり、遅い場合19時頃までセールス電話を行います。
- お金持ちだけでなく、勤労世帯に資産積立を、お金がない人にはローンを勧める電話あり。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ローン(頻度:★★★☆☆)
- 預金が少ない人
- 銀行でお金を借りたことがある人
「お金の困りごとはありませんか?」とローンをおすすめする電話。
預金残高が10万円未満などお金に困っている人に電話がかかってきます。
傾向としては、コールセンターからフリーダイヤルでかかることが多いです。
かかってきた電話番号をネット検索して、どこからの電話なのかをチェックしておくと安心です。
審査が厳しいことを除けば、金利・安心感などから銀行のローンはオススメです。
といった人は、銀行からの電話を聞いてみましょう。
興味がない人は「他の銀行に預金がたくさんあるのでローンは不要」と伝えましょう。

「他の銀行に金ある」という言葉は非常に効果的です!
資産運用(頻度:★★☆☆☆)
- 銀行に給与振込みがある人
- 1,000万円以上の預金がある人
- 銀行のキャンペーン情報等をwebで閲覧した人
「資産運用でお金を増やしましょう」との勧誘セールスです。
資産運用を具体的にいうと
などがあります。
まとまったお金が必要な投資信託や生命保険のセールスは
- 地銀で、預金1,000万円以上の人
- 都銀だと、預金5,000万円以上の人
に電話がかかってきます。
昨今、銀行が力を入れているNISAのような少額の積立て商品では、
- まとまった預金は無くても、安定した給料がある人
にも電話がかかってきます。
資産運用に興味がある人は、話を聞いてみましょう。
銀行の勧誘は証券会社よりもマイルドなので、断ろうと思えば簡単に断れます。また、2017年に金融庁の規制(顧客本位の業務運営の原則)が強まり、銀行は強い勧誘を行いません。
資産運用に興味がない人は「元本割れリスクは一切とりたくないです」としっかり伝えましょう。

それでも、しつこく勧誘される場合は「この通話、録音してますよ」と伝えましょう。

その他の商品(頻度:★☆☆☆☆)
銀行は他にも
など様々な商品があります。
ローンや資産運用に比べると、これらの商品単発で電話がかかる可能性は少ないです。
しかし、銀行は電話で何を勧誘するかは分かりません。
様々な商品を紹介する可能性があることは知っておきましょう!
ローン関係
※ローンが無い人は、読み飛ばしてください。
ローンを利用している人には、2種類の電話が考えられます。詳しく解説します。
延滞督促(頻度:★★☆☆☆)
毎月のローン返済を延滞したときは、確実に電話がかかってきます。
放っておくと、代位弁済やブラックリスト登録(信用情報機関登録)となる可能性があります。
入金し忘れただけなら、すぐにATMなどで入金すれば自動で返済されます。

支店にいく必要はありません!
お金がないときは、家計のやりくりを見直しましょう!

金利の期限到来(頻度:★☆☆☆☆)
住宅ローンを抱える人には、金利の期限到来を知らせる電話がかかる可能性があります。
具体的には以下のとおり。
- 期限つきの固定金利の期限がきた人
- 借入当初の優遇金利の期限がきた人
この連絡の主旨は、金利期限がくることをお知らせすることに加えて、期限後の金利をどうするかの話をすることです。
その他
その他の用件で、そこそこの頻度で電話がくるものを紹介します。
アフターフォロー(頻度:★★☆☆☆)
投資信託や貯蓄型生命保険を銀行で契約した人には、契約後のアフターフォローとして電話連絡の可能性があります。

アフターフォローだけでなく、投資信託の追加購入の勧誘も!
継続的顧客管理(頻度:★☆☆☆☆)
2021年に金融庁から各銀行あてに、「マネーロンダリングやテロ資金供与が疑われる顧客のチェックを強化せよ」という指示がありました。(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン)

金融庁の指示の背景には、マネロン等対策の国際的な審査において、日本の銀行が低評価だったことがあります。
銀行は、マネロンと疑われる取引を見つけると、取引を行った人へ電話でヒアリングを行います。
郵便物不着(頻度:★☆☆☆☆)
サービス内容の変更や支店閉鎖など重要なことを、たくさんのお客様に連絡するとき、銀行はハガキや封書を送ります。
その郵便物が不着になったとき、銀行は電話で連絡することがあります。

「お客様に不利益が生じること」こそ電話が来ます!
まとめ

銀行からの電話で、最も多いのは銀行の事務ミスに関する電話。
次に預金残高の口座引落しエラー、そして金融商品のセールスと続きます。
また、銀行ローンを利用している方には、延滞督促や金利期限のお知らせといった内容の連絡もあります。
基本的に銀行は、皆さんの金融生活をサポートするために電話しています。
しかし、ごく稀に銀行都合のセールス電話がかかることもあります。
断ったり、拒否しても改善しないときには、各銀行とも苦情受付窓口を設けています。
web検索で『〇〇銀行 苦情受付窓口』などで検索して、銀行員実名で苦情を申し立てることをオススメします!